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くすりの話

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くすりの話 
セルフメディケーション税制

執筆/中川 直人(メディカプラン京都・薬剤師)
監修/金田 早苗(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 読者のみなさんから寄せられた薬の質問に薬剤師がお答えします。
 今回は「セルフメディケーション税制」についてです。

 セルフメディケーションとは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と、世界保健機関(WHO)は定義しています。医師の処方せんがなくても薬局などで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)の購入金額が一定額を超えた場合、それを課税所得から差し引く制度がセルフメディケーション税制です。
 対象となるOTC医薬品は、厚生労働省のホームページで確認することができます。また、対象医薬品のパッケージに共通の識別マークが表示されています(イラスト)。
 購入した際のレシートにもその旨が印字されます。確定申告時に必要となるので、保管する習慣をつけましょう。

◇税制の対象者

 本人と同一家計の家族分を含めて、OTC医薬品の年間購入額が1万2000円を超えた場合、セルフメディケーション税制の対象になります(上限8万8000円)。加えて、申告対象期間に健康診断やがん検診、予防接種など、「健康のための取り組みを行った方」という条件があります。健診(検診)の領収書や予防接種済証なども、確定申告のために保管しておきましょう。
 ただしセルフメディケーション税制は、従来の医療費控除制度と併用することはできません。どちらの制度を選択したらよいかを、よく考える必要があります。

◇対象医薬品を拡大

 2017年1月から5年間の特例としてスタートしたセルフメディケーション税制ですが、今年1月から5年間延長されました。 対象医薬品に3症状(かぜの諸症状、アレルギーの諸症状、腰痛・関節痛・肩こり)が加わり、確定申告時の健診結果の添付が不要になるなど、手続きも簡素化されました。
 この税制導入の背景には、医療費を抑制したい国の意図とともに、国民の健康管理や疾病予防の意識を高めるという狙いがあります。セルフメディケーションと言っても、薬の知識が乏しく不安を抱える方も多いのではないでしょうか。安全で最適な薬選びや健康管理、疾病予防について、ぜひ薬局の薬剤師にご相談ください。お薬手帳で確認しながら、購入する医薬品について助言させていただきます。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2022.7 No.368