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くすりの話

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くすりの話 
花粉症の薬

執筆/斉藤 沙也加(群馬・あおば薬局前橋店・薬剤師)
監修/高田 満雄(全日本民医連薬剤委員会・薬剤師)

 読者のみなさんから寄せられた薬の質問に、薬剤師がお答えします。
 今回は花粉症の薬についてです。

 花粉症とは、目や鼻から入った花粉に対する免疫システムの反応によって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が起きる病気です。
 花粉症の薬には(1)飲み薬、(2)点鼻薬、(3)点眼薬、(4)舌下免疫療法の4種類があります。

(1)飲み薬

 飲み薬にはさまざまな種類がありますが、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬が主に使われています。くしゃみと鼻水が中心の場合は抗ヒスタミン薬、鼻づまりは抗ロイコトリエン薬が使われます。
 抗ヒスタミン薬は発売時期によって、1983年を境に第1世代と第2世代に分類されます。第1世代は即効性に優れているものの、眠気や口の渇きなどの副作用が強く出ます。現在は処方されることは少ないですが、市販薬には配合されているので注意が必要です。

(2)点鼻薬

 点鼻薬にはステロイド薬と血管収縮薬の2種類があります。ステロイド薬はくしゃみ、鼻水、鼻づまりに効果があり、少量で局所に留まるので飲み薬と比べて副作用が出にくい薬です。
 血管収縮薬は鼻づまりに効果があり、市販薬として多く販売されています。繰り返し使っていると薬剤性鼻炎(鼻づまりの悪化)を起こすため、使い過ぎには注意が必要です。

(3)点眼薬

 目のかゆみや充血、涙が出るなど目の症状が起きる場合は、点眼薬が選択されます。点眼薬にはメディエーター遊離抑制薬や抗ヒスタミン薬があります。これらで効果が不十分な時は、ステロイド点眼薬を用います。

(4)舌下免疫療法

 飲み薬、点鼻薬、点眼薬はあくまで一時的に症状を抑えるだけで、根本的な治療ではありません。舌下免疫療法はアレルギーの原因となる物質を少量から投与することでアレルギー症状を和らげ、根本的な体質改善を期待できる治療法です。
 現在はスギ花粉を原料とするエキスから作られたスギ花粉舌下錠があります。治療期間は少なくとも2年間はかかり、専門の病院で治療を受ける必要があります。
まとめ
 花粉症は症状が軽くなっても服薬を中断すると悪化することがあるため、医師の指示に従って治療を続けましょう。飲み方や副作用など分からないことがあれば薬剤師にお尋ねください。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2021.2 No.351