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くすりの話

くすりの話

くすりの話 173 なぜ「薬だけ」ではいけないの?

Q:定期通院をしています。症状が変わらないので、受診せず薬だけほしいのですが…

genki278_03A:自分では変わりがないと感じても、病状や体調は絶えず変化しているものです。医師は検査結果や症状をみて、薬の種類や量を調整して処方しています。
 現在、医療機関で医師の処方にしたがって患者さんに出される医薬品を「医療用医薬品」と言います。医療用医薬品は医師の処方がなければ使用できません。 ドラッグストアなどで買えるような一般用医薬品(市販薬)に比べ効果が強く、副作用も出やすくなるからです。医師による診察と処方、薬剤師の調剤によって 注意深く使用するよう法律でも定められています。
 ただし、大規模災害などの緊急時には、特例として医療用医薬品を医師の処方がなくても出せることがありますので、保険薬局の薬剤師に相談してください。そのとき、ふだん飲んでいる薬の情報が書かれている「お薬手帳」があると便利です。

Q:胃がもたれるような感じがします。以前出してもらった薬のあまりを飲んでいいでしょうか?

A:症状が同じように感じられるからといって、原因も同じとは限りません。胃の具合が悪いと思っていたら心筋梗塞だったという症例もあります。
 自分で判断せず、きちんと受診をして、そのときの症状に必要な薬を医師に処方してもらいましょう。

Q:同じ症状の知人からもらった薬も飲んではいけないのでしょうか?

A:ほかの人の薬は、たとえ家族の薬であっても服用してはいけません。病気や症状が同じでも、人によって処方される薬は異なります。医師は、年齢・体重・身体の特性や現在服用している薬など、さまざまな要素を考慮し、その人に合わせた成分・分量で処方しているからです。
 おとなに処方された薬量を適当に減らして子どもに服用させることもやめましょう。子どもに投与してはいけない薬も多く、きわめて危険です。
 また、どんな薬にも副作用が発生する可能性があります。他人の薬を服用して重い副作用が発生した場合、医薬品副作用被害救済制度などの公的補償を受けることはできません。自分の薬を他人にあげる行為も絶対にやめましょう。
 人の身体は常に同じではありません。薬はそのときの自分専用に出されたものだと考え、症状が気になるときは再度受診をして薬を処方してもらいましょう。

いつでも元気 2014.12 No.278