くすりの話 84 ジェネリック薬品にしたいけど?
Q:ジェネリック薬品を自分で調べられますか?
A:開発されたばかりの薬 を新薬といい、特許があります。ジェネリック薬品はこの特許の期間(20~25年間)が終わった後、同じ成分で製造・発売された薬です。新薬と異なり開発 費がかからず、安くなる点が利点です。ジェネリック薬品の元になった新薬を「先発品」とも呼びます。
一方、発売後あまり期間がたっていない薬は、特許があるためジェネリック薬品をつくることができません。したがって、すべての先発品に対応するジェネリック薬品があるわけではありません。
書店では薬の内容を調べられる本が販売されていますが、そうした本の中には同じ成分の先発品とジェネリック薬品が一目でわかるものもあります。こうした 本を利用すると、いま使っている先発品のジェネリック薬品があるか、逆に今使っているジェネリック薬品の先発品は何か自分でも調べることができます。
Q:ジェネリック薬品を処方してもらうには?
A:これには2つの場合があると思います。第1は今処方されている先発品に対応するジェネリック薬品が発売されている場合、第2はジェネリック薬品がない場合です。
第1のケースでは「今の薬はジェネリック薬品に変わりませんか?」と医師と相談しましょう。また2006年度からは処方せんの様式が変わり、医師の確認 があれば、薬局で患者さんと薬剤師が相談してジェネリック薬品に変えることが可能になると報道されています。
ただ、一つの先発品に対して販売されるジェネリック薬品は多数あり、有効性は同じでも添加物などで品質や安全性に差が出ることがあります。一人ひとりが 安心して相談できる“かかりつけ薬局”を決め、そこで価格だけでなく安全性の情報もしっかり聞き、納得してジェネリック薬品を選択することが大切になるで しょう。私たち民医連の病院や薬局では、添加物などもしっかりチェックし、より優れたジェネリック薬品を採用するよう努力しています。
第2のケースでも、主治医と率直に相談するとよいと思います。新薬はほかに類似薬のない画期的なものもありますが、類似薬のある新薬も多数あります。
例えばメバロチンやリポバスといったコレステロールの薬にはジェネリック薬品があります。しかし、同じ系統のリピトールにはまだジェネリック薬品があり ません。リピトールが処方されている場合なぜリピトールでなければならないのか、メバロチンではだめなのか。メバロチンでもよければメバロチンのジェネ リック薬品を処方してもらう。これも1つの方法です。
患者さんが医療の主体になる、これは医療の大きな流れです。納得のいく情報提供を受け、患者さん自身が選択する。ジェネリック薬品についてもまったく同じだと思います。
いつでも元気 2006.3 No.173
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