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くすりの話

くすりの話

くすりの話 71 くすりの有効期限

Q:くすりに「賞味期限」はあるのですか?

A:一般的にくすりは製造してから未開封で3年程度は保存できるように、安定性の高い成分が使用されており、包装の外箱に有効期限が印刷されています。
 病院・診療所・薬局から渡されるくすりの袋には、有効期限の表示はされていません。それは患者さんの症状に応じてくすりの投与期間が決められ、その期間 内で用法をまもって飲みきってもらうことが原則だからです。万一飲み残した場合、保存状況にもよりますが、未開封ではないので長期保存はできません。
 たまに、古いくすりを飲んで胃腸の具合が悪くなり病院にかかる人もいます。古いとくすりの効果がなくなるだけでなく、変質し副作用が出る可能性があるの です。病院や薬局でもらったくすりは、刺身のようなナマモノと同じと考えて、用法どおりに期間内に飲みきってください。
期間にかかわらず、薬の色が変化した場合や湿ってきたような場合、錠剤がヒビ割れてきた場合はすでにくすりが変質していることが多いので、薬剤師に相談してください。

Q:くすりの保存方法は?

A:くすりは化学物質ですから、光、温度、湿度により影響を受けやすく、時間とともに品質が変わります。
 くすりの保管温度は30度以下、理想は15度以下です(ただし、凍結する場所はだめ)。温度が10度上がると、くすりが分解・変質する速度は2~3倍にもなります。
 シロップのような水薬は、冷蔵庫に入れておいても1週間が使用の限度です。水薬のカップ、水薬瓶の口などは細菌に汚染されやすいので、常にきれいにしておきましよう。
 包装や薬袋をいっしょに保管しておくと、有効期限や調剤した日がわかります。

Q:飲み残したくすりはどうしたらよいですか?

A:投与期間が過ぎて飲み残したり、症状が改善して飲む必要がなくなったくすりは、原則として捨ててください。
 薬箱のなかの売薬も、定期的に整理して古いくすりは処分してください。
 最近、がんの終末期医療を在宅で行なうことから、疼痛を抑えるために麻薬が処方されるケースが増えています。未使用の麻薬が出た場合は、捨てずに薬局に 戻してください。麻薬を受け取った薬局は麻薬管理帳簿に記載し廃棄して、行政に廃棄届を提出することが義務づけられています。

いつでも元気 2004.6 No.152