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いつでも元気

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ケアマネの八面六臂な日々

説明も証明も〝丸投げ〟

 2021年の10月頃から、マイナンバーカード(以下マイナカード)と健康保険証を一体化する動きが本格化しました。既に診療所や病院などの受付窓口に、カードリーダーという機械が置かれているのを苦々しく見ています。
 政府は「マイナカードの取得は任意」と説明していたはずなのに、カードが普及しない現実に業を煮やしたのか、ポイントをつけるなど特典を付与。挙げ句の果て2022年10月に突然、デジタル大臣が「現行の健康保険証は廃止する」と表明しました。
 このニュース以降、にわかにマイナカードを作成する方が増えました。カードを作るには、添付する写真が本人であることを確認するため、本人が自治体の窓口などに来所することが原則です。
 自宅で生活する要介護状態の高齢者の中には、窓口まで行くことができない人もいます。こうした場合は代理で申請するご家族らが、運転免許証など写真が付いた証明書を持参しなければなりません。
 しかし、免許証を返上している、あるいはもともと持っていない方も多くいます。そこで自治体が考えたのが、「顔写真証明書」に担当のケアマネジャーと所属する事業所の所長が、「写真が本人である」と証明するサインを書くというものでした。
 利用者のご家族は意味が分からないまま、写真が貼られていない申請用紙を事業所に持参し「ケアマネのサインがほしい」と言います。ケアマネは「写真が本人であるという証明をケアマネがすることが、サインの意味です」と家族に説明しますが、「写真を貼ってから、また来いということですか」と言われてしまいます。
 説明責任は自治体にあるはずですが、説明も証明もすべてケアマネに丸投げです。
 介護保険制度は年々使いづらくなっていますが、制度の改悪のたびに、利用者に内容を説明するのもケアマネ。時には利用者さんやご家族のお怒りをかうこともあります。
 法令を遵守しなければ、自治体の運営指導でケアマネが追及される。制度改悪を説明すれば怒られる…。「理不尽だなあ」と思います。


石田美恵 
東京民医連のケアサポート千住(足立区)所長
全日本民医連「ケアマネジメント委員会」委員長

いつでも元気 2024.7 No.392