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いつでも元気

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ハーフタイム

増田剛(全日本民医連会長)

基地をなくし豊かな未来を

 9月11日、夜8時の時報とともに、沖縄知事選で玉城デニー候補の勝利が報じられました。さまざまな困難を乗り越えての2期目の船出となります。心の底から嬉しく思います。
 沖縄というと、基地問題がすぐに頭に浮かびます。基地があるがゆえの悲劇が数多く繰り返されてきました。暴行、殺人、ヘリ墜落事故に加え、最近では有害物質による環境汚染、基地からの新型コロナ感染漏出も。これらの歴史は、決して曖昧にしてはなりません。
 そのうえで、現地の方々の重大な関心事は経済や暮らしの問題です。このことは今回の知事選でも昨年の衆院選や今夏の参院選も同様で、全国的な傾向です。
 考えてみれば当たり前のこと。日々の生活が保障されてはじめて次の課題に取り組めるというのが、大方の国民の自然な感情です。実際の沖縄の戦後の歴史を振り返れば、「基地か経済か」というより、「基地をなくして経済を」という経過なのです。
 今回の知事戦最終盤の2日間、現地の職員を激励しに沖縄入りしました。病院や選対事務所を訪問する道すがら、現地の方が基地返還後に誕生した那覇新都心を案内してくれました。
 以前はフェンスに囲まれ、入ることさえ許されなかった広大な基地が、真新しい建物や数々のお店、多くの人々が行き交う“新しい街”に変貌していました。
 その経済効果は基地が居座っていた当時の28倍、雇用効果は72倍、那覇新都心は1万5000人以上の県民が働くビッグタウンになっているとのことです。未来への“展望”を感じました。
 今年は1972年に沖縄が本土に復帰してから50年という節目の年です。今から50年前、当時の琉球政府の屋良朝苗主席が「復帰措置に関する建議書」を発表しました。
 建議書は米軍基地が「民主主義の原理に違反して、県民の意思を抑圧ないし無視して構築、形成されたものであり」「基地の存在が県民の人権を侵害し、生活を圧迫し、平和を脅かし、経済の発展を阻害している」と述べ、「基地のない平和な島」としての復帰を求めました。この時の屋良主席の指摘がいかに正しかったか、半世紀の歴史が証明しています。
 基地撤去は、東アジアの平和の礎を築くと同時に、何よりも沖縄の人々の生活をより良く発展させるための必須の課題。一人ひとりの国民が「自分事」として捉え、この課題を共に背負っていくことが求められています。

いつでも元気 2022.11 No.372