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いつでも元気

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かまぼこでフレイル予防

 岡山医療生協が地元企業とともに、高齢者でも食べやすく栄養価の高いかまぼこを開発しました。
 岡山医療生協健康まちづくりセンターの寄稿です。

総合病院岡山協立病院の栄養サポートチーム委員会(撮影時のみマスクを外しています)

総合病院岡山協立病院の栄養サポートチーム委員会(撮影時のみマスクを外しています)

 高齢者のフレイル(心身の衰え)を予防するためには、「栄養・身体活動・社会参加」の3つがポイントで、特に十分な栄養摂取が大切です。
 岡山医療生協の総合病院岡山協立病院(岡山市)には、栄養サポートチーム委員会(医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・言語聴覚士で構成)があります。
 病気や高齢化により通常食がなかなか食べられない・飲み込めない患者さんに、噛む力や飲み込みの機能に合わせて「刻み食」や「ミキサー食」など食形態を工夫しています。
 ただ、職員にはかねてから「食材の形が残った状態で提供できれば、患者さんは食べる楽しみを味わえ、食欲もわいてくるはず」という思いがありました。
 そこで注目したのがかまぼこ。高齢者になじみの深いかまぼこですが、一方で「堅い」「塩分が多い」といった課題がありました。こうした課題を解決しようと、地元企業の(株)長谷井商店と協力して開発したのが「やわらか蒲鉾 日の出」です。

やわらかいうえ塩分も少なく

 長谷井商店はかまぼこ作りで有名な老舗で創業93年。同社の商品作りに栄養サポートチーム委員会が監修というかたちで参画し、今回の製品になりました。
 かまぼこはプリプリの食感が魅力ですが、高齢者にとっては堅くて飲み込みづらい食品です。長谷井商店は従来の魚肉に大豆を加えることで、かまぼこ本来の食感を失わず食べやすいように工夫。そのやわらかさは「ユニバーサルデザインフード区分1」(容易にかめる)に該当します。
 また、大豆を加えたことで高タンパク・低カロリーを実現。製法を工夫することで、約2割の減塩にも成功しました。岡山医療生協が参加する減塩活動「すこしお」(日本医療福祉生協連合会)にも準ずることができました。
 形状も昔から親しまれているかまぼこと同じ形にしました。視覚からも「おいしそう」という食への欲求と、積極的に口から栄養を摂取するきっかけになってほしいという思いを込めました。

飲食店など100店と提携

 岡山医療生協は、組合員の「生活の改善および文化の向上」の一環として、スーパーや家電量販店、飲食店、スポーツ施設、福祉用具取扱店、葬祭会社、ホテルなど地域の100店と提携。組合員カードを提示すれば割引などさまざまなサービスを受けられます。
 また、備前焼体験、スマートフォン操作、ノルディック・ウオークなど、地元企業の専門性を活かした26の体験型教室にも参加できます。
 こうした提携を一歩進め、地元企業の商品開発に岡山医療生協が関わる新たな取り組みが始まりました。法人の事業所・各部門が新たな商品やサービスを監修し、企業が生産やサービスを提供する仕組みで、その第一弾として開発したのが「やわらか蒲鉾 日の出」です。
 岡山医療生協は新しいかまぼこを多くの人に知ってもらい、広く地域住民の健康づくりに役立ててもらおうと、昨年10月に新商品発表会を長谷井商店と共催。「フレイルを知る1日」(岡山市など後援)のイベントにも出展してPRしました。
 発表会には岡山医療生協の髙橋淳理事長、岡山医療生協健康づくり委員長の岡本由美子理事、長谷井商店の中島俊子取締役と井上泰夫専務取締役が参加しました。
 髙橋理事長は「やわらかくておいしいかまぼこを食べて、皆さん元気になりましょう」と呼びかけています。岡山医療生協は今回の協同開発を通して高齢者の栄養摂取改善に取り組み、今後も健康で安心して住み続けられるまちづくりに努めます。


やわらか蒲鉾 日の出

業務用1セット40本 
1本170g497円(税込み)
商品紹介や問い合わせ先は「岡山医療生協かまぼこ」で検索

いつでも元気 2022.2 No.363