お金をかけない健康法
コロナ禍のもとで、再び年末年始を迎えます。2021年7月から起こった第5波では、感染爆発によって医療現場が危機的状況に追い込まれました。9月末に緊急事態宣言などは全て解除されましたが、決して楽観視はできません。
第5波以後の感染者数減少は、ワクチン接種の進行だけでは説明できません。現にワクチン接種が先行した諸国で、また感染爆発が起きています。冬には感染拡大しやすいこともあり、第6波到来が心配されています。
前回の年末年始は第3波の最中で、帰省や旅行は極力自粛するように呼びかけられました。しかし、今回は帰省や旅行、レジャーなどの機会が増えることも予想されます。ご家庭での注意事項を再確認してください。
帰省する際は、(1)(新型コロナの潜伏期間を考慮して)2週間前から感染リスクの高い場所への出入りは控える、(2)日頃の体調をチェックして、少しでも調子が違うと思ったら中止する、(3)親族がいっぺんに集まることは避けてなるべく分散する、を心がけてください。
旅行・レジャーについては、「東都保健医療福祉協議会」※1が職員向けに出した呼びかけが参考になります。
海外旅行は自粛。国内旅行やレジャーに出かける場合、(1)同居家族との旅行は可とし、同行者以外との接触には十分注意する、(2)3密(密集・密接・密閉)を回避し、不織布マスクの着用と手指消毒を徹底する、(3)常時行っている健康観察を継続し、特に旅行後2週間は注意する、などです。
また会食について、大人数で長時間、アルコールを飲む会食は自粛することになっています。※2
ワクチンを接種した人同士が一緒に行動する場合でも、今までどおりの感染防止対策が必要です。
※1
東京民医連の健和会、健愛会、南葛勤医協、すこやか福祉会などが加盟するグループ。職員数は約3,000人。
※2
会食の条件として、(1)特定の相手と4人以下で120分以内、(2)各自治体の基準に従って感染対策をしている飲食店を選ぶ、(3)食事中以外のマスク着用の徹底、などを呼びかけています。
大場敏明
おおば・としあき
1946年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒、内科医。船橋二和病院、東葛病院、みさと協立病院などを経て、クリニックふれあい早稲田(埼玉県三郷市)院長。著書に『ともに歩む認知症医療とケア』(現代書林)、『ドクター大場の未病対策Q&A』(幻冬舎)、『かかりつけ医による「もの忘れ外来」のすすめ』(現代書林)
いつでも元気 2022.1 No.362
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