心をつづって
先生とみんなと会えて
うれしかったです
無題 ひろき
ぼくは、コロナのせいで学校へいけないのが残念です。勉強は少しいやだけど、友だちとしゃべれないからです。とてもとてもひまになります。いつもだったら七時くらいに起きるけど、八時くらいまで寝て朝ごはんを食べ、ずーっとゲームをしてるからつまんないです。なんかおもしろいことないかなと、いつも思います。
これは四月に書かれた日記。学校再開は、この日記から二カ月後だった。
三カ月弱に及んだ「臨時休校」が明けて、体育館に集まった六年生。心配を吹き飛ばすほど元気そうで、安心しうれしくなった。その後、クラスを半分に分けての分散登校が二週続き、六月十五日からは一気に“通常”を超える、かつてない七時間授業が始まった。
学校 かな
私は久しぶりに学校に行って、すごくうれしかったです。いつもは「明日も学校か…。」と思う日があるけれど、今回みたいに長い間休校で家の中にいたから、「早く学校に行きたいな。」と思う日が多かったです。毎日だいたい同じことをして家の中にいるより、学校で友達と勉強したり遊んでいたりしたいと思います。この休校で学校の楽しさを改めて感じました。
学校再開 だいき
ぼくは六月一日から午前中までだったけど、再開してずっと長いあいだ休校だったから、なぜか緊張してしまいました。でも、先生とみんなと会えてうれしかったです。来週からは六時間までになるので、まだ慣れてないので疲れそうだけど、がんばります。あと給食も始まるので、給食がまちどおしいです。
週三回の七時間授業。コロナで大幅に遅れたからといって、大切なのは授業時間数の確保なのだろうか。子どもの健気な日記を読むと、余計に憤りを禁じ得ない。
かなが休校中に書いた「どうしているかな」を載せた学級通信に、私は「多少長すぎた気もする休校期間が終わります。いよいよはじまります。心配なことがないと言えばうそになるのかもしれないけれど、大丈夫! 全てが今日からはじまります。何がはじまるのかって? あなたがいて、家族がいて、友達がいて、何かいいこと、何か素晴らしいこと、ドキドキワクワクするようなたくさんのことです」と書いた。
どうしているかな かな
私はこの臨時休校中に、クラスのみんなは何をしているのか、などを考えました。最初に思いうかんだのは、早寝早起きしているのかな、と思いました。私は学校がある日より、少し遅く起きています(中略)。今度あった時に、みんなが元気でいるといいなと思います。先生は何をしていましたか。
得丸浩一(とくまる・こういち)
1957年生まれ。京都市の小学校教師。京都市教職員組合執行委員長、日本作文の会副委員長。
著書に『おもしろいけど 疲れる日々』(本の泉社)
いつでも元気 2020.8 No.345
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