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「赤ちゃん体操」
医療や介護の現場で使える回想法を紹介。懐かしい写真を通して会話が弾めば班会やサロンが活性化、認知症予防にも。懐かしい写真と回想のヒント、そして会話のコツを紹介します。
回想のヒント
昔は巡回保健婦が各地域を回り、赤ちゃん体操が行われていました。
おのおのの表情から台詞を考えてみましょう。
麻酔前に回想法
全国で回想法の講演をしている私ですが、ふだんは民医連の出雲市民病院(島根)で麻酔科医として勤務しています。手術直前の患者さんは緊張しています。麻酔の説明をする前に、まず回想法を使って緊張をほぐします。
「故郷はどちらですか?」「お若い頃はご活躍されていたのでしょうね」「青春時代の流行歌は」などなど。故郷の自慢、人生の自慢話をとくと伺います。
麻酔の説明も、できるだけ緊張をほぐすように心がけます。最近は「超音波ガイド神経ブロック」という麻酔方法があり、術後6~12時間効果が続きます。患者さんには「今晩は手術の痛みもなく過ごせますからね」と伝えます。
「決して痛みを我慢しないで」「体にさわらない痛み止めもあります。遠慮は無用」とも伝えます。「持続硬膜外麻酔」といって、痛みが出たら患者さん自身が判断して局所麻酔剤を注入することもできます。痛みの兆候が見えたら、直ちに鎮痛対策をとる“先取り鎮痛”という考え方も広がってきました。
手術で患者さんを取り違えてはいけません。病棟から手術室に向かうホールでは、患者さんの名前の確認だけでなく、回想法で交わした故郷の話に触れ、会話が成立すれば本人確認は万全。回想法はあらゆる場面で役立ちます。
鈴木正典
島根・出雲市民病院麻酔科医。1947年、福井県生まれ。鳥取大学医学部卒。著書に『認知症予防のための回想法』(日本看護協会出版会)、『想い出かたり』(かもがわ出版)など
いつでも元気 2018.12 No.326
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