昔ばなし苦労話自慢話
「さあ、こい」
昔は男の子の遊びといえば草野球。
3人集えば三角ベースで、さっそくプロ野球の実況中継が始まります。
手作りの布製グローブで「さあ、こい」
男性が参加するコツ
「男性の参加者を増やすには?」―。社会福祉協議会でサロン運営の悩みを聞くと、必ず最初に挙がるのがこれ。女性は放っておいても、初対面の人と会話を始めるもの。しかし、男性はなかなか周囲になじめません。せっかく参加してくれても、つまらなくて次回から来てくれなくなることも。
男性に話してもらうきっかけの一つが「自慢話」。“昔取った杵柄”でも、家業の手伝いでも、足が速かったことでも、何かしら得意なことがあったはず。
「サロンは地元の名人、達人の集まりである」と定義することが、サロン再生の第一歩。お年寄りは教える、指導する対象ではなく、「昔の風習や伝承の技術」を教えていただく尊敬すべき人なのです。「あの人は何名人かな」と探すことから始めてみては?
写真の男の子はその後、高校野球で活躍したのでしょうか。「俺も昔は名サードだった」。もしかしたら目の前の男性が、地元ではちょっと知られた有名人だったのかもしれませんよ。
鈴木正典
島根・出雲市民病院麻酔科医。1947年、福井県生まれ。鳥取大学医学部卒。著書に『認知症予防のための回想法』(日本看護協会出版会)、『想い出かたり』(かもがわ出版)など
いつでも元気 2018.5 No.319
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