守りたい9条
3000万署名で友の会員宅を訪問
文・宮武真希(編集部) 写真・野田雅也
いま、全国で広がる「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」。
目標の3000万筆に向けて、各地で大奮闘中です。
北海道の飯田尚志さん(道東勤労者医療協会友の会連合会・鳥取支部)から「支部の有志で、友の会員さん宅を訪問して署名を集めています」とのハガキが届きました。
2月10日の訪問行動に同行しました。
「おはようございます、道東勤医協友の会です。いま『戦争をする国にするな』『憲法9条を変えるな』という署名を集めています。ぜひご協力ください」。鳥取支部事務局長の有田誠さんがインターホン越しに声をかけると、しばらくして扉が開きました。
「寒いでしょう、どうぞ中に入ってください」と招き入れてくれたのは小鹿優子さん。「平和のことに関わる9条を変えることには反対。今のままでいいですよね」と署名に応じます。
鳥取支部が訪問行動を始めたのは昨年12月から。寒風吹きつける中、毎週土曜日の午前中に、支部の有志が2人1組で行動します。この日、集合時間の朝10時はマイナス6度。雪が残り氷が張る道を、一軒一軒、地図を見ながら歩きます。
励ましや疑問の声に応えながら
訪問先では「親父が戦争体験者。9条を変えるのは反対です。安倍さんは勝手すぎる」「ご苦労様。頑張って」と励ましの声も。有田さんと組んで行動した進藤ナガ子さんは「直接話ができるのが訪問のいいところ。『私も9条改憲には反対よ』という声を聞くと、元気が出るわ」と言います。
別の組で行動した丸山義彰さんは、「『なぜ友の会が署名を集めるの?』と聞かれた。『民医連の医療機関は、皆さんのいのちや健康を守るのが役目。そのためには戦争をしないと決めた9条を守ることが大事だからです』と話すと、分かってくれたよ」と笑顔です。
この日は32軒を訪問し、70筆が集まりました。
ニュース配布協力者に呼びかけて
道東勤医協は昨年11月に署名推進本部を立ち上げました。友の会会員世帯数と同数の2万2000筆を目標に掲げ、そのうち友の会連合会は1万筆、鳥取支部は会員世帯数の半数にあたる1130筆が目標です。
ハガキを送ってくれた飯田さんは「うちの支部では、毎月発行する友の会ニュースと支部ニュースを、会員の協力で手配りしています。今回の署名は、ニュースを配っている会員さんの力を借りようと『あなたの配達している地域を訪問しよう』と次々に声をかけて進めています」と話します。
9条改憲はとんでもない
道東勤医協友の会連合会は、根釧地域の13市町村全てに支部を持ちます。昨年11月発行の友の会ニュースに署名用紙と返信用封筒を折り込んだところ、1634筆が寄せられました。
友の会連合会の亀井武会長は「9条改憲はとんでもない話。そりゃ、なかには憲法は変えた方が良いと考える人がいるかもしれないが、『安倍さんの言う9条改憲だけはだめだべ』と訴えています」と意気込みます。
友の会連合会では全日本民医連作成の憲法学習DVDを視聴し、各支部の役員に、「毎月実施している健康づくりや食事会、サロンや居場所づくりの場でも署名を訴えよう」と呼びかけました。「支部の活動には会員以外の方も参加されますからね。署名を広げるチャンスです」と友の会連合会事務局長の高橋滋さん。
一筆でも多く集めよう
道東勤医協友の会で1つの支部が全ての会員宅を訪問するのは、今までにない活動です。「私たちの支部は、地域も広く会員さんも多い。大変だけれど、この署名は会員の方に直接お会いして集めることを大事にしたい」と有田さん。
2月末には、目標の半数を超える574筆を達成した鳥取支部。
かつて小学校の教員だった有田さんは「『教え子を再び戦場に送らない』という信条で、これまでさまざまな活動をしてきた。この署名を一筆でも多く集めて、改憲をストップしたい」と力を込めます。
いつでも元気 2018.4 No.318