安心して住み続けられるまちづくり・愛知 みんなでわいわい市民公開講座
文・宮武真希(編集部) 写真・豆塚猛
尾張健康友の会では2014年から、支部でも市民公開講座を開催しています。
なかでも「認知症予防の話」は大好評。6月の講座では、来年4月に尾張健友福祉会が開設を予定している地域密着型事業「小規模多機能ホーム」「グループホーム」についても、説明をしました。
尾張健康友の会は、愛知県西部の尾張地方(10市2町)と岐阜県旧川島町で活動しています(地図)。6支部・90班、友の会員は5650人で、一宮市にある千秋病院・介護老人保健施設(尾張健友会)と特別養護老人ホーム・ケアハウス(尾張健友福祉会)などが民医連の主な事業所です。
参加費無料の市民公開講座は、友の会の要望がきっかけ。当初は医師が講師を務めていましたが、翌年からは多職種がさまざまなテーマで講師に。地域でも支部が開催し、「良かった」「勉強になった」と大変好評です。
6月18日は尾西支部が「認知症予防体操」をテーマに開催。友の会機関紙や中日新聞が発行する無料の瓦版にお知らせを掲載したり、近所の喫茶店に掲示してもらうなど、案内を広げて42人が集まりました。
笑いに包まれて
認知症予防体操の講師は千秋病院の外来師長・伊藤祐子さん。認知症看護認定看護師の伊藤さんは、明るく丁寧に「認知症は予防できる」ことを説明。5人1組になって行うコグニサイズの体験では、会場は終始大きな笑いに包まれました。
伊藤さんは「認知症予防の講座はみなさんがとても喜んでくれます。参加された方から『家族を介護しているが、いろんな想いを話す場がない』という相談を受けることも。認知症の方と家族が参加できる院内デイケアを始められないか、と千秋病院で検討しているところです」と話します。
新たな施設の開設も
一宮市で福祉・介護施設を運営する尾張健友福祉会は、同市の第6期介護保険事業計画の公募で選定を受けて、「小規模多機能ホーム」と「グループホーム」の開設を予定しています。これまで民医連事業所がなかった同市南西部地域で、「住み慣れた町で高齢になっても住み続けられるまちづくり」を目指します。
6月18日の市民公開講座では新しい施設の概要や、「どのような方がサービスを受けられるのか」などを石川宜延さん(尾張健友福祉会)が詳しく説明しました。
新しく開設する地域は、一宮西部支部が活動する地域。同支部友の会員さんのつながりで、地主と近隣2軒の協力を得られ、土地の提供を受けることができました。施設は7月から着工の予定です。
開設に先駆けて5月から、開設予定地近くの商店街の一室で「地域交流サロン萬葉」を始め、毎週水曜日に健康づくり教室や介護相談などを受けています。一宮西部支部の隣の地域で活動する尾西支部の水谷龍雄支部長は「介護事業所の開設を知らせると、さっそく、友の会入会の相談がありました。開設をきっかけに友の会活動の幅を広げたい」と話します。
尾張健康友の会会長代行の吉田日支雄さんは、「目指すのは健康第一のまちづくり。友の会の活動が橋渡しとなって、地域住民とともに進めていきたい」と決意を語ります。
いつでも元気 2017.8 No.310