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いつでも元気

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安心して住み続けられるまちづくり・神奈川 30年続く社保学校 「住んでよかった」と言えるまちへ

文・宮武真希(編集部)/写真・酒井猛

 「組合員さん1人ひとりの悩みに応えるために、知識を蓄えよう」と、社会保障学校を開催している川崎医療生協麻生北支部と麻生南支部(川崎市麻生区)。
 現在まで30年以上、毎年開催しています。

2月7日の社保学校

2月7日の社保学校

 開催のきっかけは「医療と社会保障は切っても切り離せない。社会保障が自分たちの健康や生活とつながっていることを学びたい」という組合員の声でした。それ以来、「自分自身や家族・友人が暮らしに行き詰まった時、制度を生活に役立てられるよう身につけること」を目的に続けています。
 川崎医療生協麻生北支部と麻生南支部の社保委員会と、社会保障学校の卒業生がつくる「あさゆりの会」が主催。全7課のテーマを決め、講師は同生協の職員や定年退職した元職員、地域の社会保障推進協議会から招きます。

元職員も講師となって

 今年の受講生は25人。全7課のテーマは(1)社会保障制度全般、(2)医療保障、(3)くらし安心制度、(4)年金、(5)雇用や生活保護制度、(6)介護保険制度、(7)介護の現場を学ぶ施設見学です。
 2月7日に開催した3課の講師は、川崎市社保協の田中国雄さん。川崎医療生協の元ソーシャルワーカーです。川崎市社保協発行の『くらし安心パンフ』も使いながら、高額療養費や差額ベッド代について詳しく説明します。
 講義では、差額ベッド代を請求された経験について、受講生に話してもらいました。「差額ベッド代は、患者の選択と同意がなければ支払う必要がありません。個室を希望していないのに支払いを求められた場合は『支払わない』とはっきり伝えましょう」と話す田中さんの言葉に、受講生は大きく頷きました。

繰り返し学んで

 「社会保障制度は毎年変わるので、たとえ同じテーマでも、毎年繰り返し学んで力にしてきた」と話すのは、あさお診療所の元事務長・八木橋峯子さんです。
 八木橋さんは現在「あさゆりの会」のメンバー。同会は「社会保障学校の卒業は、終わりではなく始まり。まちづくりに知恵を出し合い一歩を踏み出そう」と、1998年1月に発足しました。会員は71人。これまで、社会保障学校の開催のほか、麻生区の歴史を学ぶ文化講座や医療・介護についての学習会、市議選・県議選の候補者に質問状を出して、それぞれの候補者の回答を組合員に知らせる活動などを続けてきました。
 同会の幹事を務める春日翠さん(82)と共同代表の助川誠子さん(78)は「先達から『社会保障学校は続けていってほしい』と託されて現在まで続けてきた。組合員さんにとって大きな力になっていることを感じる」と話します。

身近な改善も

 麻生北支部と麻生南支部は、「身近な改善してほしいこと」を出し合う「一支部一要求」の活動にも、合同で取り組んでいます。
 これまで実現したことは、滑りやすい道路の補修やバス停留所の増設、信号機の設置です。バス停留所の増設運動に関わった小西千代子さん(麻生北支部)は、「地域の老人会が長年要望していたことを、老人会・町内会・支部の三者が協力して運動を広げました。署名を集めて何度もバス会社を訪問し、4年半かけて実現したときは、それはみんなが喜びました。大変な運動でしたが、自治力をつけることが今後にも役に立つはず、と頑張りました」と当時を振り返ります。
 積み重ねた学びを力に「住んでいてよかった」と言えるまちづくりを目指して活動する両支部。現在は市民の大切な遊び場である百合丘第2児童公園(麻生区)に、トイレの設置を求めています。緊急時の避難にも役立つので、支部では、利用する保育園や地域の方々とともに行政に働きかけていく予定です。

いつでも元気 2017.4 No.306