安心して住み続けられるまちづくり(31) 食べて歌って“元気の源” ランチ&みんなで歌う会 福岡市南区
ふくおか健康友の会南支部(福岡市南区)は、毎月第3土曜日に「ランチ&みんなで歌う会」を開きます。ひとりぼっちの高齢者をなくそうと、みんなで昼食を食べ、歌い、踊る会は、支部の“元気の源”です。
6月の歌う会は大楠公民館に35人が集まりました。この日のメニューはちらし寿司にすまし汁、ひじきの煮物。具を酢飯に混ぜる人、汁物を用意する人など、参加者全員で準備します。
昼食の用意ができると、帽子や扇子を使いながら踊って歌います。93歳の東野憲夫さんはカラオケで自慢ののどを披露。「おいしいものが食べられるので、毎回楽しみにしています」と笑顔。
誕生月の人は毎月、記念撮影。みんなで「ハッピーバースデイ」を歌って祝います。6月でちょうど80歳になった川端宗一さんは「楽しいので、どんどん会員の輪が広がっている」と話します。メンバーに男性が多いのも特徴で、歌も踊りも恥ずかしがらずに参加します。
平和や社会保障でも活動
南支部には趣味の班会も数多くありますが、活動はそれにとどまりません。全日本年金者組合福岡中央・南支部や南区社会保障推進協議会、南区九条の会連絡会のメンバーとして、年金問題や平和、社会保障の分野でも活動。区役所との懇談や学習会、署名集めも積極的です。
「8年前にできたランチ&みんなで歌う会を発火点に、支部の活動が活発になりました。歌う会でエネルギーを蓄えて地域に出ていきます」と話すのは、支部運営委員の髙向洋子さん。みんなが歌っている間もカメラでパチリ。年金かわら版や南区社保協ニュースに掲載する写真撮影で動き回ります。
昼食後は「夏は来ぬ」「茶摘」を歌い、お手玉ゲームに参加者全員が熱中。踊りの振り付けリーダー平島順子さんは「お手玉は脳トレにも役立ちます。童心に返って楽しめるよう工夫しています」と話します。
3月におこなわれたふくおか健康友の会の「すこやか春の文化祭」では、1年間の練習の成果を発表。帽子をかぶりステッキを持って、「恋の季節」を踊りました。
新たな友の会の拠点も
会が終わると、続いて南支部の第47回総会。友の会副会長に就任した山下和彦支部長に代わり、新たに立木松雄さんが支部長になりました。立木さんは町内会長やシニアクラブの会長も兼務します。
歌う会の活動拠点は大楠診療所(南区)でしたが、診療所建て替えのため近所の公民館で活動中。診療所は来秋、「大楠医療介護総合センター」(仮称)としてリニューアルオープン。同センターは5階建てで、友の会の新たな拠点になるほか、話題の子ども食堂や子ども塾も開く予定です。
文・新井健治(編集部)
写真・酒井猛
いつでも元気 2016.8 No.298