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いつでも元気

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Dr.小池の世直し奮戦記 「戦争ができる国」許すな ──民主主義の根幹を守り抜こう

 安倍晋三首相は、憲法の解釈を変えて「集団的自衛権」の行使を可能にしようとしています。
 「集団的自衛権」とは、日本が攻撃されてもいないのに、海外で武力行使ができるようにすることです。歴代の自民党政権も「憲法九条の下で集団的自衛権の行使は許されない」としてきました。

予算委員会で首相と論戦

 私は、三月四日の参議院予算委員会で、「集団的自衛権が行使できるようになれば、アフガン戦争やイラク戦争のように日本が攻撃されていないときにも、自衛隊が海外で武力行使することが可能になるのではないか」と追及しました。
 安倍首相は私の指摘を否定できず、最後には「可能になるものがあるかどうか、検討している」と答弁しました。
 歴代の首相がこんなことを言ったことはありません。自衛隊を海外に派兵しても、「戦闘地域には行かない。武力行使はしない」と繰り返してきたのです。

保守層にも広がる懸念の声

 自衛隊が海外での戦争に加われば、自衛隊員に戦死者が出ることも、外国人の命を奪うことも起こりえます。そんな重大なことを、安倍首相は「私が責任者だから」と、憲法を変える手続きも踏まず、解釈の変更で進めようとしています。
 こうした動きに、自民党のかつての重鎮も次々に声をあげています。
 元幹事長の古賀誠氏はテレビ番組で「総理が変わればころころ変わるような国を世界はどう考えるのか」と述べました。同じく元幹事長の野中広務氏も、国会 (参議院調査会)で「憲法上から、今の内閣の歩んでいる道は非常に誤りつつある」と厳しく批判しています。
 戦後日本の保守政治は、保守なりの「節度」を持ってこの問題に臨んできました。だからこそ、今回の憲法解釈の変更に対しては、立場の違いを超えて反対の声が広がっているのです。

過去の戦争への反省もなく

 私がとりわけ危険だと思うのは、過去の戦争や植民地支配の誤りを反省しない人たちが、集団的自衛権の行使で日本を「戦争ができる国」にしようとしていることです。
 昨年末、安倍首相は靖国神社参拝を強行しました。しかし、靖国神社は単なる宗教施設ではありません。あの戦争を「自存自衛のたたかい」と美化・宣伝して いる施設です。首相の参拝は、侵略戦争を肯定・美化する立場を世界にアピールするものにほかなりません。
 日独伊による侵略戦争は、絶対に繰り返してはならない過ちだったというのが、戦後の国際社会の原点です。だからこそ安倍首相の行動は、中国・韓国はもと より、世界中から批判され、米国政府も「失望した」と異例のコメントを出したのです。
 歴史は作りかえることはできませんが、向き合うことはできます。誠実に誤りを認めてこそ、日本は世界とアジアから尊敬される国になることができるのではないでしょうか。
 日本の良識と、アジアと世界も敵にまわす「暴走政治」に未来はありません。解釈改憲を許さず、日本の民主主義の根幹を守るためにも、力を合わせるときです。

いつでも元気 2014.5 No.271