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いつでも元気

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くすりの話 163 抗生剤

Q:抗生剤について教えて

genki267_04_01A:抗生剤とは、カビや土壌菌などの微生物が作りだす物質を加工したもので、体内に入り込んだ細菌を殺したり、増殖を抑えたりする効果のある薬です。日本では 1946年に初めて「ペニシリン」が使用され、肺炎や破傷風などの感染症に対して成果をあげました。また、人工的に化学物質を合成して作った抗菌薬 (ニューキノロンなど)も同様の効果をもっており、現在は抗生剤のことも抗菌薬と呼んでいます。
 よく風邪を引くと「抗生剤を」と希望される方がいますが、多くの風邪はウイルス感染によるもので、細菌感染によるものではないため、抗生剤は効きません。
 ウイルス感染によって風邪を引いても、その場合のほとんどは症状が軽く、ほうっておいても自然に治ってしまいます。しかしウイルスが増殖して、気管など の内面を覆っている線毛細胞を破壊してしまうと、細菌に感染しやすくなってしまうことがあります。そして細菌に感染すると風邪の症状が長引いたり、「細菌 性髄膜炎」のように脳などに後遺症が残る病気にかかってしまったりすることがあります。
 そのため医師は患者さんの症状や問診、検査などによって、細菌に感染していないかどうか、また細菌に感染する恐れがないかを総合的に判断し、抗菌薬を処方します。

Q:服用上の注意点は?

A:通常の風邪薬や痛み止めなどの場合は、症状が治まれば服用 を中止しても大丈夫ですが、抗菌薬は決められた間隔で処方日数分をきちんと服用しないと、治癒が遅くなったり症状が再発してしまったりすることがありま す。また、残っている細菌が増殖して、抗菌薬が効かない「耐性菌」が生まれてしまうこともあるので、処方された薬は飲みきるようにしましょう。
 とは言え、抗菌薬の副作用とみられる症状が現れる場合があります。多くみられるのは下痢や嘔吐、湿疹などですが、このような症状が現れた場合でも自己判断で中止せず、医師または薬剤師に相談してください。

Q:抗生剤は苦いので子どもが嫌がるのですが

A:確かに抗菌薬はほかの薬よりも苦いため、保護者の皆さんは苦労されているようです。しかし「甘いものに混ぜたら飲みやすいのでは」といろいろなものに混ぜてしまうと、薬の効果が下がってしまうこともあります。
 また、スポーツドリンクやオレンジジュースなどといっしょに飲むことで、より苦みが出てしまう薬もあるので、飲ませ方で悩まれている方は薬剤師にご相談ください。

いつでも元気 2014.1 No.267