Dr.小池の世直し奮戦記 「集団的自衛権の行使」 なんてありえない!
参議院選挙後、大問題に浮上しているのが、解釈改憲による「集団的自衛権の行使」です。
「集団的自衛権」とは不思議なことばです。「自衛」と言いながら、日本を守ることとは、なんの関係もないのですから。これは、日本が軍事同盟を結んでい る国(アメリカ)が戦争をするとき、日本が攻撃されているわけでもないのに、アメリカの戦争を手伝って武力行使に参加することなのです
「集団的自衛権」は侵略戦争の口実
元内閣法制局長官の阪田雅裕氏も「集団的自衛権の行使とは海外で戦闘に加わるということだ。自衛隊員に犠牲者が出ることや、隊員が他国の軍人を殺傷することも起こりうる」(「朝日」八月九日)と述べています。
実際に「集団的自衛権」が行使されたのは、アメリカによるベトナム戦争や、旧ソ連によるチェコスロバキアとアフガニスタンへの侵攻など、「自衛」とは無 関係の侵略戦争ばかり。こんなものに日本が参加することを、断じて認めるわけにはいきません。
アメリカの長年の要求
日本が「集団的自衛権」を行使できるかどうかが最初に問題になったのは、二〇〇〇年一〇月に アーミテージ元米国国務副長官らが“行使に踏み切れ”と迫ったときでした。それ以来、アメリカがアフガニスタンやイラクを攻撃するたびに、日本は「集団的 自衛権の行使」を迫られてきました。
しかしアメリカの強い要求にもかかわらず、憲法九条が歯止めとなって、アフガニスタン戦争参加を決めた「テロ特措法」でも、イラク派兵を決めた「イラク特措法」でも、条文第二条には、こう書かれていたのです。
「(活動は)武力の行使にあたるものであってはならない」「(活動地域は)戦闘地域であってはならない」
歴代政府も、憲法九条に照らせば「集団的自衛権」は認められない、つまり「海外で武力を行使することはできません」と言わざるを得なかったのです。安倍 政権がねらっているのは、この最後の「歯止め」をはずして、日本が海外で何の制約もなく戦争をおこなうことにほかなりません。
“法律で制限するから心配ない”?
政府や自民党は、“憲法解釈を変えても、実際の行使は国会で決定するから心配ない”などと言います。しかし最も強い歯止めになってきた憲法の制約を取り払ってしまえば、いくら「法律で制限する」といっても何の保証にもなりません。
安倍政権は、閣僚による靖国神社参拝、首相の「村山談話」見直し発言、麻生副総理のナチズム肯定発言など、過去のファシズムや侵略戦争を肯定する立場を エスカレートさせており、アジアと世界から強い批判・懸念の声が寄せられています。それなのに集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更に踏み切れ ば、アジア諸国との関係は修復不可能な段階まで進むでしょう。アメリカも、日本とアジア諸国との関係悪化は望んでいないのではないでしょうか。
世界では、平和的・外交的努力で国家間の問題を解決することが大きな流れとなりつつあります。世界情勢をリアルに見きわめ、憲法を生かしてアジアと世界の平和に貢献することこそ、日本の進むべき道です。
いつでも元気 2013.10 No.264