Dr.小池の世直し奮戦記 「耐用年数」切れの政治から 「変化の季節」へ
昨年末のNHK紅白歌合戦、ご覧になりましたか?
私がいちばん印象に残ったのは、美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」でした。唄の世界が眼前に浮かび上がるようで、まさに圧巻。「私も」という方も、いらっしゃるのではないでしょうか。
「ヨイトマケの唄」が伝えるもの
美輪さんは、「ヨイトマケの唄」が伝えるのは「母親の無償の愛、家族を思う力、働くことの尊 さ。すべて時代を超えて共通する感情や思いです」と、雑誌(『フライデー』一月一八日号)のインタビューで語っています。そして「このお母さんが見せた誇 りを欠片も持ち合わせていないのが、今の日本の政界財界の方々ではないでしょうか」ときびしく問いかけます。
美輪さんの怒りには力がこもります。
「原発事故を考えてみてください。放射能が漏れ出した時、それを無効化する手立ても考えていない」
「それを知りながら、自民党は中曽根康弘(元首相)さんたちが先導して、日本中に不完全な製品を設置しました。五〇年という長きにわたって自民党がつく りあげた歪みが、耐えきれずに軋んでいる。それが今の日本ではないですか」
「自民党が築いた世の中全体の耐用年数が来たんです。日本は変化の季節を迎えたんです」
私は思わず、「その通り」と声をあげました。
自民党は政治のゆがみの張本人
昨年の総選挙では、自民党と公明党で衆議院の三分の二を上回る議席を獲得する「大勝」でした。
しかし、彼らこそが今の日本の政治と社会のゆがみをつくってきた張本人です。今の深刻なデフレ不況の原因である、格差と貧困の広がりをつくってきたの も、「安全神話」をふりまきながら日本中に原発を建設してきたのも、自民党がやってきたことでした。
ところが安倍晋三首相は、こともあろうに原発事故が起こった福島で「希望を政策にするのではなく、責任あるエネルギー政策を進めていく」と言ってのけ、 原発再稼働や新増設容認の姿勢を見せました。しかし、除染も賠償も一向に進まず、安全対策も道半ばで、使用済み核燃料の処分の手段すらない原発を動かす方 が、よほど無責任ではないでしょうか。
そもそも、どんな世論調査でも「原発ゼロ」が圧倒的なのに、その国民の希望を実現しようとしない政治に存在意義などありません。
国民の力で新しい政治の風を
安倍首相がまずやるべきことは、一五万人を超える人がいまだに県内外に避難している福島の皆さんに心から謝罪することであり、大飯原発(福井県)も止めて、すべての原発の廃炉に向けた作業に取りかかることです。
耐用年数の切れた自民党には、今の日本の政治が抱える根深い病気の診断も治療もできません。国民の力で新しい政治の風を起こし、「変化の季節」を現実のものにするときです。
いつでも元気 2013.3 No.257