くすりの話 153 薬剤師の在宅訪問指導
Q:薬剤師が家に薬を届けてくれると聞いたのですが
A:往診や訪問看護などの対象になっているような、病院や診療所への通院が難しい患者さんの自宅に、医師の指示にもとづいて薬剤師が薬を届けることがあります。
Q:薬の相談にものってくれるのですか?
A:もちろんです。よくあるのは、「(往診患者さんが)錠剤の薬を飲んでくれない」というご家族からの相談です。在宅患者さんは高齢の方が多いため体の機能が 低下し、錠剤が飲み込みにくくなっている方が少なくありません。このような場合、薬剤師が患者さんやご家族の要望にもとづいて粉薬への変更を医師に提案し たり、飲みやすいように錠剤を粉砕したりすることもできます。
それだけでなく、薬の作用に関する説明や服用の指導などもおこないます。薬剤師が自宅を訪問することで、「適切に薬が服用できているか」「管理(冷所保存、遮光保存など)ができているか」を確認することができます。
また、薬の飲み忘れで余った薬があれば医師に薬の量の変更を提案したり、飲み忘れを防ぐために日付ごとにポケットがついた「お薬カレンダー」などを使って薬をセットしたりできます。
訪問後には、薬剤師が医師や看護師、ケアマネジャーなどと患者さんの情報を交換し、共有するようにします。薬剤師にとって患者さんの生活環境を知ることは、正しく薬を飲んでもらうためにも重要なことなのです。
Q:お金はどれくらいかかるのですか?
A:介護保険を利用している方は、居宅療養管理指導料として1回 500円の利用料がかかります。同じ建物(マンションなど)に2人以上住んでいて、同日に訪問する場合は350円です。この居宅療養管理指導料は、介護保 険の「利用限度額」には含まれないので、安心して受けてもらうことができます。
介護保険を利用していない方は医療保険の扱いとなります(在宅訪問薬剤指導料)。医療費が1割負担の方は1回500円、3割負担の方は1回1500円で す。同一住居の場合は、1割で350円、3割で1050円となります。保険の種類や自治体によって負担額が変わることもあるので、かかりつけの病院や診療 所にお問い合わせください。
すでに薬剤師の訪問を受けている方もまだの方も、お困りのことがあれば気軽にご相談ください。
いつでも元気 2013.2 No.256