被災地より
うたごえは生きる力 宮城・泉病院友の会
三・一一直後は、歌など歌っている場合ではないと思った。大勢の人が亡くなったり、住居や肉親を失ったりしたのだから。私の歌の仲間たちも例外ではなかった。
必死になってもはかどらない安否確認のさなか、新しく宮城のうたごえの仲間になった「仙台ロシア合唱団」から合同練習再開の声があがった。一年前から企 画していた北海道・東北六県合同の「みんなで歌うロシアの歌」のレコーディングを控えていたのだ。
四月二日の練習日、なんと七〇人の仲間がかけつけてくれた。家も肉親も流された南三陸町の仲間は、「すべてを失ったけれど私には歌うことが残っている」と。全国の仲間たちの応援にも励まされた。
七月二日、岩手県滝沢村でのレコーディング・コンサートは成功し、CD「ふるさとの山影」が完成。それぞれの合唱団は仮設住宅での歌う会やチャリティー にとりくみ、たくさんの出会いの中で「うたごえは生きる力」を実感している。
(岡村朋子)
各地のとりくみをお寄せください。編集の都合上短くする場合がありますが、三〇〇字で、写真もつけてください。毎月の締め切りは七日ごろです。
いつでも元気8月号No.250より
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