くすりの話 145 薬の保管方法
Q:薬の保管方法を教えて
A:薬はきちんと保管しないと、有効成分が変質してしまうことがあります。変質した場合は単に薬の効果がなくなるばかりでなく、場合によっては身体に有害な影響をあたえることもあります。
薬の品質に影響をあたえる主な原因には、温度、湿度、日光などがあげられます。高温、多湿、直射日光を避けて、比較的温度が低い場所で、気温の変化が少 ない場所に保管しましょう。台所、洗面所などの湿気が多い場所や、暖房器具の近く、窓際などは避けてください。また、小児が誤って飲んでしまわないよう に、手の届かない所に保管しましょう。
ふだん持ち歩いている薬も注意が必要です。薬袋のまま持ち歩かないで、乾燥剤を入れた缶などに入れておくといいでしょう。この場合も服用法がわからなく なったり、間違って服用したりすることがないように、薬袋から出さずに缶の中に入れましょう。
冷蔵庫や冷暗所に保存するものもあります。糖尿病の患者さんが使うインスリン製剤は、凍らないように注意しながら、冷蔵庫に保管します。点眼薬は冷蔵庫保存のものもあれば、遮光袋に入れて保管したりするなど、薬の種類によって異なります。
薬局で渡される説明書や薬袋は、記載事項に注意して薬をつかいきるまで捨てずにとっておきましょう。そして、医師や薬剤師の指示を守り、正しく保管することが重要です。また、薬を種類ごとに、個人ごとに区別して保管しておくことも大切です。
Q:薬の使用期限は?
A:食料品に消費期限や賞味期限があるように、薬にも使用期限があります。
薬局で買うことのできる一般用医薬品の場合は、外箱に使用期限が記載されているので、必ず確認してください。
基本的に医師の処方により薬局から出された薬(医療用医薬品)の使用期限は、特別な指示がない限り、処方を受けた日から指示通りに服用して、飲み終わる までです。医師はそのときどきの患者さんの症状や体質に合わせて処方し、治療に必要な日数・期間だけ薬を出しているのです。
Q:以前もらった薬は飲んでも大丈夫?
A:薬が残っているからといって、同じような症状のときに服用したり、同じような症状の人に飲ませたりしてはいけません。
「○○が痛いとき」などに飲む頓服薬が残っていることはよくあることです。しかし、同じような症状だからといって同じ病気だとは限りません。自己判断で 服用せずに、医師や薬剤師に相談してください。「熱があるから風邪」とも限らず、別の病気かもしれません。
体調に変化が現われたら、まず医師の診察を受けてください。
いつでも元気 2012.6 No.248