くすりの話 128 「領収明細書」とは何ですか?
保険薬局では、これまでもかかった費用の大まかな内訳がわかる領収書を渡してきましたが、2010年4月から厚生労働省の通達により、個別の薬や調剤に関 する調剤報酬(医療保険の支払い)が具体的にわかる「明細書」を無料で発行するようになりました。明細書は点数で表示され、1点=10円です。『総点数 ×10円』に3割や1割といった自己負担割合をかけたものが、窓口で支払う金額になります。
「医療内容の透明化」などが目的ですが、薬局でも患者さんの反応はさまざまです。「わからない。詳しく教えてほしい」「紙がもったいないよ」などなど…。
ここでは領収明細書に表示されている「技術料」や「管理料」についてお話ししたいと思います。
Q:『調剤技術料』とは何ですか?
A:調剤技術料は、「(調剤)基本料」「調剤料」「加算料」に分かれています。
(調剤)基本料は、調剤した薬の量とは別にかかる「基本料金」で、薬局ごとに異なります。規模の大きな薬局は、小さな薬局より金額が低く、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の取り扱いが多い薬局や、時間外でも対応できる体制が整っている薬局は、少し金額が高くなります。
調剤料は、薬の種類や処方した日数分によって料金が決まります。また加算料は、薬を飲みやすいよう朝・昼・夕と小分けにパックしたり、複数の粉薬を混ぜあわせて調剤した場合などにかかります。調剤料や加算料は、どの調剤薬局でも同じです。
Q:『薬学管理料』とは何ですか?
A:患者さんが、薬を安全で効果的に使用するために必要な管理・指導料です。主なものに「薬剤服用歴管理指導料」「薬剤情報提供料」があります。
薬剤服用歴管理指導料は、 どんな薬を使用してきたかという服用歴(薬歴)に基づき、薬 の説明や服用上の指導をし、記録を薬局で保管することでいただく料金です。調剤薬局では、一人ひとりの薬歴を作成・管理しており、薬剤師が毎回、薬の量、 薬の重複や相互作用、薬物アレルギーの有無、服用状況、副作用などをチェックしています。
薬剤情報提供料は、薬の情報や注意事項をお薬手帳に記載した場合に算定しています。「薬剤服用歴管理指導料」「薬剤情報提供料」も、保険薬局ごとに金額が変わることはありません。
その他、薬剤料はお薬そのものの金額です。また医療材料は、たとえばインスリン注射の針など、薬剤の投与に使用する器具の金額です。
今回紹介しきれなかった加算や指導料もあります。疑問があれば、かかりつけ薬局の薬剤師や事務に聞いてみてください。
いつでも元気 2010.11 No.229