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いつでも元気

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くすりの話 119 「冷え性」なんですが…

Q:冷え性とは?

A:平熱でも、寒がり、手・足・腰など体の一部が冷たくつらい状態が続くことをいいます。「冷え」は東洋医学特有の考え方で、病気になる前の「未病」として治療の対象になります。
 冷えは万病の元でもあります。高血圧、低血圧、ホルモン異常、精神疾患、膠原病、がんなどや、ほてり、湿疹など多くの病気や症状が、「冷え」と関連しているからです。
 また人は体温が36~35.5度になると消化器・泌尿器等の機能や免疫力が低下し、35.5~35度ではがん細胞が活発になるといわれ、36度未満の低体温も侮れません。

Q:冷え性を改善させる薬はありますか?

A:体のバランスを取り戻し、冷えの根治をめざす「漢方薬」があります。
 ごく一例ですが、胃腸が弱い人はエネルギー不足を補充できる体質にする目的で真武湯や人参湯などを、痛みや肩こりを訴える人は血の滞りを除くため温経湯 や当帰芍薬散などを使います。新陳代謝が低下し、むくみやめまいもあれば水分の偏りを正常にする苓姜朮甘湯など、イライラや不眠には全身の機能を整える目 的で四逆散や半夏厚朴湯などを配合していきます。この他、鍼灸や食養生(食事療法)を組み合わせます。

Q:冷え防止のポイントは?

A:(1)症状と原因に気づく、(2)冷えの悪循環から抜け出す、(3)再び冷やさないことです。
 (1)冷え症状の特徴は「痛む、硬くなる、水分の代謝が悪くなる」の3つです。自分では「冷え」を自覚していなくても、腰痛、肩こり、ほてりなどが、実は冷えからきていることがあります。
 冷えは体の熱をつくる、運ぶ、調節するどこかの異常と考えられています。体の熱は6割くらいが筋肉の運動でつくられるため、体を動かさない、同じ姿勢が続く人も冷えやすい状態です。
 (2)冷えが続くと、血行不良、代謝の低下を招き、「冷えの悪循環」に陥りやすくなります。これに効果的なのが、ぬるま湯での足浴や半身浴です。 38~40度のお湯に15~30分程つかります。半身浴は胸から下だけ入り、両手は出します。ぬるさが副交感神経を刺激するので、血行が改善し、胃腸など 内臓の働きがよくなります。
 さらに体を動かす、食事を改善する、緊張をほぐす工夫などをするとよいです。食事はネギ、ニラ、生姜、ニンニクなどが体を温め、セロリ、大豆などは血流やホルモンバランスを改善します。
 (3)冷えないためには、「頭寒足熱」を心がけます。足や首筋、腹や腰は温かくし、頭は涼しく保ちます。靴下・マフラーなども利用し、締めつけを避け、洋服はこまめに調節しましょう。
 冷え対策の本はたくさん出ています。侮らず兆候を見過ごさずあきらめなければ、冷え防止は健康の強い味方にできます。

いつでも元気 2009.12 No.218