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いつでも元気

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エッ これが“反自衛隊”活動なの!? 「国民すべてが監視対象」と防衛大臣 自衛隊の国民監視活動を許すな

 自衛隊が、国民をスパイしていた――自衛隊の内部文書にもとづき、日本共産党の志位和夫委員長が六月六日、記者会見で明らかにし、衝撃と怒りが広 がっています。「反自衛隊」活動というレッテルを張られた監視の対象は、国民のあらゆる活動に及んでいます。民医連も例外ではありませんでした。

ここまできた“戦争国家体制”

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2004年2月25日、小倉駅前でおこなった春闘の署名宣伝行動

 内部文書に記載されていた活動の一つが右の写真。「二〇〇四年の春闘で、二月二五 日午後、小倉駅前で署名宣伝行動をしたときのものです。全国統一行動でしたから、写真も残っていたんです」と福岡・健和会労組書記次長の瀧川聡さん。写真 の上の文書が、この行動を監視した自衛隊の記録です。
 署名は「自衛隊のイラク派兵に反対」と、「安全でゆきとどいた医療・看護を」「みんなの安心と経済活性化のために社会保障の拡充を」の三つ。「一時間で二九〇筆集まりました」と瀧川さん。
 「明らかになったのは、自衛隊が国民を監視し、国にとって都合の悪い人間を識別している、いつでも弾圧できる体制をつくっている、ということです。“戦 争国家体制”がここまできていたのかと驚きました。まさに“戦争する国づくり”です。
 沖縄の辺野古では新基地建設反対の住民に対し掃海母艦ぶんごが出動した。武力を持った軍隊の威力で国民を押さえつけたのです。国の二重三重の違憲・違法な姿に、本当に怒りがわいてきます」

「医療費負担増見直せ」の宣伝も

 青森保健生協が〇四年一月九日におこなった「医療費負担増の凍結・見直し」の宣伝行動も監視されていました。青森保健生協組織部、秋山和範さんは―
 「あの日は、アンケート付きハガキを配りながら医療改善要求の宣伝をしていたんです。高齢者の窓口負担増、健保本人三割負担と続きましたから。自衛隊と はぜんぜん関係ないですよね。それなのに時間も昼の一二時一五分~五〇分、人数も一六人と、その場にいなければわからないことが記録されていた。事前に情 報をつかんでないと無理ですよね。やっぱり警察が情報を流しているんだなと思いました。
 びっくりしたのは、言い逃れできなくなったときの久間防衛大臣(当時)の開き直りです。『何が悪い』と。全部悪いだろうといいたい。こんな人権侵害、憲法違反の活動を、まったく深刻に捉えようとしない。
 伊藤塾の伊藤真先生が『軍隊は国民を守らない』とよくいわれますが、それを実感しました。薄気味悪いけど、事実が明るみに出てよかった。たたかえますから」

報道関係者はもっと怒るべき

 自衛隊はジャーナリストなどの取材活動も監視していました。フリージャーナリストの志葉玲さんは、「『人間の盾』経験者」「東京新聞特派員としてバグダッドを拠点に取材」などと記載されていました。
 志葉さんは、「イラク写真展」を監視されていた写真家の森住卓さんらと六月二〇日、防衛省を訪れ、国民監視の即時中止を申し入れました。しかし防衛省の 回答は、「必要な情報収集はしていく」。監視対象となる基準の公開についても、「具体的な内容を明らかにすると、情報収集活動に影響が出る」と拒否しまし た。
 志葉さんはこういいます。
 「自衛隊は現在も国民を監視しており、その対象とする基準もまったく不明確であることがわかりました。久間防衛大臣が『国民すべてが監視対象』と国会で答弁していましたが、現実にそうだということです。
 大臣の、自衛隊がデモの写真を撮って何が悪い、報道陣も撮っているじゃないかという答弁には、ふざけるな、と怒りで燃えました。報道関係者と自衛隊を いっしょにするな。報道は、スパイじゃない。久間発言に、報道関係者はもっと怒るべきです。絶対に許せません」
 全日本民医連は六月八日、「自衛隊の国民監視は憲法蹂躙の違法行為だ」と、怒りを込めて抗議声明を発表しました。

いつでも元気 2007.8 No.190