命を大切にする活動を一緒に 100人こえた保健委員が大発表会
千葉・船橋二和病院健康友の会
4つのグループに分かれ
さあ、みなさん、ご一緒に! にぎやかに「きよしのズンドコ節エアロビクス」ステップで会場を盛り上げたのは、肥満予防「健康にやせる」班 |
船橋二和病院健康友の会では毎年保健大学を開催しています。卒業した人の多くは保健委員として二カ月に一回開かれる保健委員会に参加し、班会や青空健康チェックなど、地域の保健活動にかかわっています。
「現在、保健委員は一〇〇人をこえています。健康に対する要求が高まっているなか、はじめての試みとして、二〇〇六年度は“食と健康”“肥満予防”“が ん予防”“認知症予防”の四つのテーマ別のグループに分かれて独自に学習・研究をすすめてきました」と保健活動部事務局で、友の会副会長の福島ユリさん。
きょうはその「学習研究グループ大発表会」。一つのグループの人数は一五~一七人。発表会には七〇人以上が参加しました。
一単位ってこれだけ?
食の原点である地元の農業の現状を通して、日本の農業の問題点などを学習した「食と健康」班。パワーポイントを使って、農業体験などのようすも伝えま す。 「ごはん、じゃがいも、かぼちゃならこれだけ。乾麺はたったのこれだけ!」と糖尿病学会で決めた一単位(八〇キロカロリー)の実物を示すのは「肥満 予防」班。「外食はカロリーが高め」という話から「外食好きなので、ご覧のとおりの肥満体です」とおなかをつきだしてみせるメンバー。参加者の笑いを誘い ます。
認知症予防に友の会活動
「がん予防」班は「どうやって予防するか」を中心に研究。「がん全般的な予防」「がんの種類&症状」などが書かれた『がん予防』というA4版一八ページの小冊子を作成。メンバーのうち二人から体験談も語られました。
「認知症の予防」班は認知症とうつ病、健忘症の違いや、「右脳(芸術脳)」「左脳(言語脳)」などの働きについて学習しました。「私は“うつ病”。日常の家庭生活をしていく気力が低下するの」…と、一人ずつがその役になって説明しました。
医師からは「認知症の予防は脳をまんべんなく使うこと。何もしないでただ年を重ねずに、班会などをやって、脳を活性化させましょう」というアドバイス。 「教育基本法が改悪され、左脳ばかり使うことが重視される。このままではますます認知症になる人が増えるのでは」の声も。
「行動する第一歩に」と
グループの発表を受け、山田浩保健活動部長は「保健活動は命を大切にすること。それは平和を大切にすることです。ことしは南京大虐殺から七〇年。その事 実を否定し、他国を侵略する戦争に加担するために憲法を変えようという動きがありますが、絶対にやめさせなくてはなりません。きょうのこの場はそれを考 え、行動する第一歩にしましょう」としめくくりました。さっそく友の会から行動提起がされました。
「〇八年度から健診制度や内容が大幅に変わり、健診や保健予防などが自己責任にされようとしています。今までの健診を継続しておこなうことを自治体に要 望していきたいと思います。こういった保健、医療、福祉の制度を学ぶ保健大学や、青空健康チェックなどの保健活動がますます重要になってきますね」と福島 さん。
ワイワイとにぎやかで楽しく、そして深みのある、そんな発表会になりました。
文・斉藤千穂記者/写真・酒井猛
いつでも元気 2007.5 No.187