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いつでも元気

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東京大気汚染訴訟 すべての公害被害者救済を 早期全面解決をめざして

 “マツダは大気汚染裁判解決へ決断をしろ! 後ろ向きの態度を改め、和解のテーブルにつけ!”・年明け早々の一月九日、東京・日比谷のビル街にシュプレヒコールがこだましました。

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「健康友の会」の仲間も支援(マツダ東京本社前)。この日は、三菱自動車本社前でも宣伝しました

  「東京に本当の青空を取り戻そう」と公害患者が原告となって、国と東京都、首都高速道路公団(現・首都高速道路会社)、トヨタ、日産、三菱、マツダなど自 動車メーカー七社を相手に提訴して一一年。この間、六三三人の原告のうち一〇八人が解決を見ることなく、無念の思いで亡くなっています。

道開く解決勧告と都の提案

 メーカーが責任を認めることと東京全域の被害者救済を求める一〇〇万署名や、全面解決要求(別項)を求める団体署名を重ねる中、東京高裁は昨年九月二八 日、一次訴訟控訴審結審にあたり「裁判所としてはできる限り早く、抜本的、最終的な解決を図りたい。関係者が英知を集めて、この趣旨を理解して協力してい ただきたい」と「解決勧告」をおこないました。
 この勧告を力に原告団は、東京都交渉、都庁前連続行動、メーカー交渉と力を注いできました。原告の必死のたたかいと支援の広がりをうけて、東京都は、一 一月二八日、石原知事が東京高裁に出向き「医療費救済制度」の創設を提案。内容は、①都内全域を対象とする②対象疾病は気管支ぜんそく③全額助成というも ので、被害者救済にとって大きな前進でした。
 しかし、「対象疾病がぜんそくに限定されていて慢性気管支炎と肺気腫が除かれている」「五年後に見直す」という問題点を残していました。患者・原告団は、すべての被害者の救済を求め、引き続き東京都と協議をすすめています。

都の案にメーカーも同意

 都の提案に対して、新年早々、前向きの反応が出てきました。「トヨタ、都の救済案に同意へ」と報じられ(1月6日付「日経」)、東京都も各メーカーと個 別協議を始めました。都によれば、協議に最も消極的だった日産自動車を含めたメーカー七社が、いずれも協議に応じる考えを東京高裁に伝えてきたといいま す。都は「メーカーと協議をすすめることで、国が協議に応じる環境づくりを急ぎたい」としています。
 日比谷公園の真ん前の共同ビルに、マツダ東京本社が入っています。寒風が吹きつける中、原告団副団長の森ヲミエさんは訴えます。
 「子どものころ、私は元気な体でした。高い山にも登りました。板橋区に移り住んで五〇歳のとき、ぜんそく発作に襲われたのです。深夜に発作が起こり、集 中治療室に担ぎ込まれました。何度も入退院を繰り返しています。排ガスのためにこうなったのです。マツダさん、よく聞いてください。裁判所の勧告を、どう か真しに受け止めてほしい。高齢化が進み、板橋でもこの四~五年で四人が亡くなっている。私も、きょう命懸けできています。時間がありません。一刻も早く 解決してください」

“会社も家庭も壊された”

 原告で「足立健康友の会」の初山彰一さんもマイクを握りました。「私がぜんそくにかかって二〇年になる。働けなくなって自営業の会社はつぶれ、家庭も壊 された。毎日、夜も昼もなく苦しんでいる。不十分ながらも、都は救済制度を示した。トヨタも同意を表明した。マツダも、早く協議の席に着いてほしい…」
 初山さんの声が途切れる。「ハッ、ハッ」と息を継ぎ、息を継ぎ、声を振り絞りました。「マツダは、私たちの切なる気持ちをわかってほしい!」

 和解成立か判決かの高裁の判断は、三月がメドになりそう。患者・原告団は、1・23メーカー集中一日行動、2・12トヨタ総行動(愛知)、3・16あおぞら総行動へとつなげ、蕫寒い冬を頑張り抜き、暖かい春には勝利の喜びを﨟と全力でたたかう決意を固めています。
文  ・太田候一記者
写真・酒井猛

原告らの全面解決要求項目

(1)原告に対する謝罪
(2)原告に対する損害賠償(一時金)
(3)東京都での医療費救済制度の創設
(4)きれいな空気を取り戻すための公害防止対策
(5)今後に向けた被告との協議機関の設置

 いつでも元気 2007.3 No.185