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いつでも元気

いつでも元気

元気が一番 大地の恵みが体に心に! たちばなファーム ふくおか健康友の会たちばな支部

2年目でジャガイモ1000キロの大収穫

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阿部さん(右端)の指導で、保温のために穴の開いたビニールをかぶせ、玉ねぎを植える

 一一月二六日は「たちばなファーム」共同畑の玉ねぎ苗の植え付けと収穫祭。あいにく朝から小雨が降り出しましたが、ねぎ苗は待ってくれません。前日までに植え付け準備をした畑で、雨合羽・長靴姿の会員が、元気に作業を始めました。
 早生、普通、赤玉ねぎの三種類の苗は八〇〇〇本。一二時過ぎには植え付け完了。雨よけに張ったテントで恒例の収穫祭の準備もできました。ダゴ汁、焼きそば、バーベキュー、おひたしや漬け物…。

こだわりの土作り、虫退治

 事務局長の上野しづ子さん(65)がダゴ汁に入っている野菜の提供者を紹介します。大根、にんじん、ごぼう、里いも、どれも今、ここでとれたものばかり。
 二組の夫婦が入会を希望して来場。拍
手で迎えられました。新人への説明もかね、上手に畑作りをしている人の畑をみんなで見て回り、研究。ご本人のちょっぴり自慢話もうかがいました。
 みなさんがこだわっているのは土作りと、無農薬栽培のための虫退治。生ゴミ堆肥作りは会員の運動になっています。
 宮崎輝雄・淑子さん夫婦は、畑に堆肥作りのコンポストをもっています。牛糞もたっぷり。虫退治はニンニクと唐辛子の水溶液をスプレーする方法。効きそう です。「夫婦げんかをしていても、ここへ来て作業を始めるとすっかり仲直りします」と笑顔がこぼれます。
 堀治元さんは、千鳥橋病院の元薬剤師。退職して、今は畑に熱中しています。「おかげで、悪かった体調もバッチリです」。堆肥作りにはEMボカシという発 酵材を使用。朝、昼、晩と畑を見回り、夜もヘッドランプ姿で虫退治に来ます。

荒れ地を耕し井戸を掘り

 「たちばなファーム」発足のきっかけは、三年前に開いた「食と農」の勉強会です。農業で食べていけないという農家が増え、その一方で食品添加物いっぱい の加工食品や輸入野菜が幅をきかす。このままでは…。上野さんは心配でした。友の会や新日本婦人の会の仲間に声をかけ、地元農家の人や大学の先生に来ても らって、農業の現状、農業が環境に果たしている役割などについて学びました。
 終わってアンケートをとると、自分で野菜を育てたいという人がたくさんいました。上野さんは、友人で、産直「ひとまるの里」組合長の阿部鹿俊さんに相 談。荒れ地なら借りられるかもということで現地にいってみると、五年間放置された畑は、雑草雑木が茂ってジャングル状態。
 「一瞬、目が点に」なりましたが、野菜作りを志した面々、勇気を出して、手に手に鎌を持って奮闘しました。
 阿部さんがトラクターを出動させてくれ、二日間でみるみる一〇〇〇坪の畑ができあがりました。三月にジャガイモを植えると、六月には五〇〇キロの収穫が。二年目の〇六年は一〇〇〇キロの大収穫。

夢は大きく、海外農業視察

 その後、隣接する土地も借りることができ、六〇〇坪の果樹園にしました。桃、栗、柿、いちじく、びわ、ベリー、何でもありです。相談して井戸も掘りまし た。夏休みには子どもたちが農園を走り回り、虫を捕まえたりして遊びます。
 現在、畑会員は四〇人、果樹園会員二五人。一区画二〇平方メートルは会員が力に応じて使い、残りを共同畑にしています。共同畑では玉ねぎのあとはサツマイモを植える予定です。
 雑草も堆肥にできるよう堆肥小屋を建てよう、産直センターで“たちばなファームの野菜”を売らせてもらおう…夢はふくらみます。「利益を上げて、外国の農業の視察にいこう」という話も。
 「大地に向かって汗を流すっていいですね。病気がちだった人も元気になるし、忙しい人のストレス解消にもいい。体も心も元気になります」と上野さん。モ グラよけのペットボトルの風車がカラカラ笑い、みんなの笑顔がはじけました。
文・清原巳治(『いつでも元気』編集委員)
写真・酒井猛

いつでも元気 2007.1 No.183