看護師増やして! 誰でも安心してかかれる医療に 関西ナースウエーブ集会
六月一七日、雨の大阪・御堂筋に「看護師を増やせー!」「医療改悪ハンターイ!」の声が響き渡ります。滋賀、福井、京都、兵庫、奈良、和歌山、そして地元大阪から総勢九〇〇人の看護師が「関西ナースウエーブ集会」を開いたあと、パレードをしました。
土曜の午後とあって、たくさんの人が行き交うなか、立ち止まって見送る人、「わあ、すげぇー! ナースウ エーブだって」と友人たちと見つめる若者。携帯電話で写真を撮る人も。「病院に行くと、看護師さんいつも大変そうですよね。署名? 協力しますよ」という 人もいました。
楽しく運動をひろげよう
平均在院日数の管理に追われ、医療事故をなくすためのリスクマネージメントや電子カルテの対応など、高度化、複雑化した日常業務。看護労働は過酷、過密になっています。こうしたなかで心身の健康をこわしたり、離職者が出たりしています。
東大阪生協病院からは一二〇人以上が参加。上坂利絵子さんは「他職種の人も協力してくれていますが、もう限界。この集会後、すぐに大きく変わるわけではないけど、何とかしなければ、運動をひろげなければと思って参加しました」。
竹内美代子さんは「患者さんに丁寧に接したくても人手が足りず、つらい思いをしています。看護現場の実態を少しでも知ってほしい。誰でも安心してかかれる医療にしたくて、みんな休みをとって参加しました。きょうは地域の人たちも一緒です」と話します。
「きょうは師長にいわれたから参加したという人もいるかもしれませんが(笑い)、自分たちのことばでこんな医療がしたいのだと語って、楽しく運動をひろげていきましょう」という、田中千恵子日本医労連委員長の呼びかけに手作りのナースキャップやプラスターが揺れました。
文・斉藤千穂記者・写真・豆塚猛
こんな看護がしたいから |
宗田美代子(コープおおさか病院総師長)
宗田さん(中央)とコープおおさか病院からの参加者
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一人二五筆を目標に署名にとりくんでいます。外来の待合いで患者さんに声をかけたり、病棟では「協力お願 いします」と病室に用紙を置いていったり。また署名にとりくみ始めたころからパンフで学習し、「看護運動はこれからずっと続くから、行動はみんなが参加し よう」と確認しあいました。
駅頭での「統一宣伝行動」では、いったん通り過ぎた二人組の女性が戻ってきて、「この前まで家族が入院し ていた。看護師さん、とても忙しくって大変でした。増やさなあかんわ。がんばって」と励ましてくれて、もう一人も署名してくれました。このような経験がい くつもあり、参加した職員はとても元気になっています。
訴えたことが形になってかえってくる。こんな達成感が味わえるようなとりくみが「みんなの運動」にするためには必要なのでは…。
他職種とも力をあわせて息の長い運動にするためには、学習を深め、仲間と協力しあうことだと感じています。
「大変だから看護師増やして!」より「こんな看護がしたいから看護師増やそう!」と、今、職場会議などで話し合いを重ねています。看護現場を知ってもらう、そんな発信も必要かと思います。
総代会では、一般病棟の看護師が現状を発言し、ナースウエーブへの参加や署名の協力を訴えました。組合員、患者も「安全安心の医療は、充実した看護体制抜きにはありえない」と知っていて、署名を集めて届けてくれます。
DVDやビデオなどを使っての病棟、地域班会など、とりくむことはまだまだあります。情報を発信し、元気になる行動をすすめていきたいと思います。
いつでも元気 2006.8 No.178