子育てサークル市内に20以上も 20年続く「子育て学校」の修了生が集まって 鹿児島医療生協
鹿児島医療生協には、鹿児島市内に二〇をこえる子育てサークルがあります。乳幼児をもつお母さんたちが班をつくり、毎月一回程度、班会を開いています。 こんなにたくさん子育てサークルがあるわけは? 「谷山と鴨池にある二つの診療所で蕫子育て学校﨟を開催していましてね。それを修了した人たちが参加しているんですよ」と組織部長の小倉靖彦さん。
離乳食の試食も
長年「子育て学校」にかかわっている吉見修子医師は「一九七七年に小児科を開設してすぐ蕫子どもの病気や 育児を学ぶグループを作りたい﨟という組合員さんの声があがり、子育てグループができました。核家族化が進むなか、孤独な子育てに陥りがちな若いお母さん たちに蕫子育ての仲間を﨟と、一九八六年に子育て学校を開校し、昨秋で三〇回目を迎えました。子育て支援に早くからとりくんできたと、自負しています」と 語ります。
昨秋の講座は、(1)保育士の「子育てのはなし」、(2)栄養士の「離乳食・食べ物について」、助産師の「母乳栄養について」、(3)小児科医の「子ど もの病気(救急)と予防接種について」、歯科衛生士の「子どもの歯について」、(4)発達相談員の「発達のはなし」、(5)「卒業式」「地域子育てグルー プ活動紹介」でした。
「毎回二〇人前後の参加者があります。離乳食についても、栄養士が準備したものを実際に試食したりしています。ここで出産した初めてお子さんをもつお母 さんを主な対象にしていますが、小児科の外来で、子育てにちょっと不安があるのかな、という人などにも声をかけています」と吉見医師はいいます。
昨年夏の「子育て学校」修了後に発足したサークルを訪ねました。
年間の計画を立てて
班では班員の要望、希望にそって、一〇月は親子体操、一一月はインフルエンザ予防接種、一二月はクリスマス会など、年間計画を作っています。今回は歯科衛生士による、歯のみがき方の講習と口の中の唾液のチェック。歯ブラシ持参で一歳児の親子四組が参加しました。
「インフルエンザがはやっている時期で、しかもきょうは雨のためか、参加が少ないのですが、いつもは七~八組の参加があります」と組織部の山田綾子さん。
歯科衛生士が子どもの口の中を一人ずつチェック。「虫歯かもしれない」と心配していたお母さんは「衛生士さんにみてもらったら、歯垢でした。ちゃんと磨 かなきゃ」とほっとしたようすです。
「子どもは二人目で上は小学生。子育て学校では子どもの発達の過程など聞けて、参考になりました」と白尾泰子さん。石堂沙織さんや本田ありささんは「自 治体などのサークルにも参加しましたが、年齢がそれぞれだったり、お遊戯をするだけ。ここでは同じ年齢の子ばかりで、病気や栄養のことが聞けてためになり ます」と語ります。
「出身が東京なので友だちもいませんでしたが、自分にも子どもにも友だちができました」と榎屋桂子さん。みなさん「参加してよかった」と話してくれました。
子育て支援の輪を広げたい
「子育て学校ではお母さんたちに講義に集中してもらえるよう、講義中は別の場所でお子さんを保育していま す。保育ボランティアの確保には苦労しますが、一人ひとりの子どもを大切にした子育てをしてほしいし、子育てを楽しめるように支援していくためにも、気張 らず、継続していきたいですね」と吉見医師。
「子育てサークルに参加した方から医療生協の運営委員も生まれています。そして今度は子育てサークルの担当をしてくれたり」と小倉さん。「一昨年から購 買生協でも子育て支援をはじめました。いずれは共同し、それぞれの役割を果たしながら、子育て支援の輪を広げたいですね」と語っていました。
文・斉藤千穂記者/写真・若橋一三
いつでも元気 2006.3 No.173