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いつでも元気

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労災職業病のたたかいから生まれた韓国緑色病院 全日本民医連事務局長 長瀬文雄 日韓の民主的医療人の友好を

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梁院長(中央)、朴理事長(右から3人目)と民医連代表団(05年10月)

民医連が訪問団派遣

 全日本民医連は昨年一〇月、ソウルの源進総合医療センター・緑色病院を訪問。交流協定を結ぶ準備を進めています。
 緑色病院は現在三三六床の総合的な病院ですが、そもそもは韓国の労災職業病の長い裁判闘争をたたかった労働者が中心となり、裁判の解決基金をもとに一九 九九年六月、職業病専門病院として設立されました。
 病院設立には一九八〇年代の韓国民主化闘争をたたかった医師や事務幹部が参加。梁吉承院長は進歩的医師たちの集まりである人道主義実践医師協議会の中心人物の一人でもあります。
 源進レーヨン株式会社が一九六六年、日本の東洋レーヨン(現「東レ」)滋賀工場から輸入した生産設備が、硫化水素と二硫化炭素という有毒ガスを発生。多 大な健康被害を労働者にもたらします。日本でもユニチカなどレーヨン工場労働者に同様の被害が起き、労災の認定闘争がたたかわれていました。
 このたたかいを京都民医連が支援していたことがきっかけで交流がはじまり、〇三年に開かれた全日本民医連第六回学術運動交流集会に朴賢緒理事長、梁院長 を招待し、講演していただきました。昨年の民医連全国青年ジャンボリーにも緑色病院の青年職員七人が参加。帰国後「平和や憲法を守ろうという青年が、日本 にたくさんいることに感動した」と熱く語っていたそうです。

人権・平和守るための交流を

 今回はお互いの組織が、(1)日韓の医療人が平和を守るために交流し発信すること、(2)人権を守る医 療、民主的な医療を実現させるために交流すること、(3)日本と韓国だけではなく、アジアの人びとの幸福につながる連帯を模索すること、(4)民主的な医 療組織のあり方について経験交流や意見交換をすること、さらに(5)未来の社会のあり方について探求することなどについて話し合いました。
 とりわけ、韓国でも日本でも競争原理・弱肉強食の論理が横行し、人権が損なわれていることに対し、「いのちの平等」の実現、「連帯し、助け合う社会」へ の模索、次代を担う職員の育成について交流を深めようと確認しました。日本と韓国の民主的医療人の友好と、「平和・人権・民主主義」の前進にむけた架け橋 になれば、と期待しています。
 交流のなかで、緑色病院が韓国の労働者のたたかいの中から生まれたことをあらためて実感。不屈の魂、大きな夢とロマンが、全日本民医連の草創期を彷彿とさせました。

軍隊必要だと思っていたが…

 また今回は、「日中韓の未来のための共同編集による教科書づくり」(「未来をひらく歴史~東アジア3国の 近現代史」高文研)に参加した崔賢三氏(朝鮮中央高校歴史教師)と懇談。日韓の歴史教育の違いや、靖国問題、今後の友好的な関係づくりのためにどんな努力 ができるのかなど意見交換ができました。
 日本軍による侵略の歴史を示す西大門刑務所跡などを案内しながら、崔さんが「国を守るには軍隊が必要と思っていたが日本の憲法第九条を知り、また九条を 守ろうとする日本の仲間を知って、目から鱗が落ちた」と語っていたのが大変印象的でした。

いつでも元気 2006.1 No.171