元気スペシャル 元気もらった! がんばってるね! この感動、地域へ仲間へ広げよう 第8回共同組織活動交流集会
第8回共同組織活動交流集会 岡山6月12日~13日
元気になった全体会
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岡山・美作湯郷温泉で開かれた第八回共同組織活動交流集会。一四〇〇人以上が参加し、「いのち・平和・憲法を守りぬく強大な組織をつくろう」という熱気 にあふれた集会となりました。
暑かった、でも感動した!
一日目は美作アリーナで全体会が行なわれました。岡山民医連の職員や共同組織による「うらじゃ」踊りで元気にオープニング。参加者もいっしょに踊りまし た。共同組織連絡会運営委員の亀田良典さんが活動の到達点などを報告。「いま、くらしと将来への不安が広がっている。健康づくり、助け合い、まちづくりの 運動と仲間の輪を全国の至るところでひろげましょう」と訴えました。
「映像による活動紹介」や「列島リレートーク」に続き、この日のメーン企画でもある澤地久枝さんの講演。参加者からは「感動した」「励まされた」の声。
気温がぐんぐんあがり、おまけにクーラーのない体育館のなか、「暑いね~」の声があちこちから。照明もいらないほど明るすぎる天井のおかげで、映像もう まく映らないというハプニングも。
「でも、澤地さんの話や各地の活動報告に元気をもらった。このあとのナイトセッションはちくわ笛のコンサートに行く予定。楽しみ!」と、参加者は全体会 場をあとにしました。
演題数235と過去最高に
二日目は分科会。過去最高の二三五演題を、テーマ別に一六に分けました。活動が多様化しているなか、「高齢者の居場所つくり、たすけあい運動」や「健 (検)診活動、健康つくり活動」「班活動と担い手づくり」「仲間ふやしと組織づくり」など、演題登録数が多く、活動が活発であることが伺われます。
『元気』でも紹介し、全国各地の移送活動に火をつけた石川の「べんり君」事業も三周年。前回の集会で提起された「健康チェック」「ウォーキング」「健診 活動」も各地でとりくまれ、地域との共同なども生まれています。事業所と連携した「安全・安心のとりくみ」も広がっています。災害についてのとりくみも、 民医連の共同組織ならでは。
「演題数が多くて、じっくりした議論ができなかった」と残念がる座長の声もありましたが、「いろいろな活動が聞けた。これからの参考にしたい」という声 も多く聞かれました。
次回の開催地は長野県です。
世界中のお母さんがこういったら・・・
「おまえは殺したり殺されたりするために生まれてきたのではありません」
澤地久枝さんの記念講演から
講演にききいる参加者(美作アリーナ) |
全体会での澤地久枝さんの記念講演の一部を紹介します。
お暑うございます。どうぞ遠慮なく、核兵器反対のうちわでガンガンとあおいでください(笑)。「九条の 会」の講演会でいろいろな所に行っていますが、みなさん、とっても熱心なんです。日本中の心ある人たちが、日本の政治、とくにアメリカ政府に追随して小泉 首相たちがやろうとしている方向に、大変な危機感をもっていることを痛いほど感じます。
95歳も高校生も九条守れと
先日、「杉並九条の会」っていうところへ行きました。終わってから控え室に見えた女性が「私は八八歳 よ」って。「よくいらしてくださいました」っていったらその後ろにいた、ちょっと杖はついていらっしゃるけど若々しい感じの人がにこっと笑ってね、「私九 五よ」って。すごいですね。女の人の平均寿命がのびているっていうのは何ていいことだろうと思いました。
さらにその日うれしかったのは、高校生たちが「私たちは殺されたくない、殺したくない」ってことをはっきり意思表示したんです。終わって外へ出たら、カ ンパの箱を持って立っていて、「私たちはニューヨークへ行くんです」って。核のない世界のためにアピールをしてくるんだと、非常にうれしそうでした。
私から見れば孫ですけどね、「殺されたくない、殺したくない」、こういうことを自分の言葉としていえる。やっぱり戦後の日本のあり方、教育、もしくは、 先輩たちが一生懸命この社会でがんばってきたことが、ここでちゃんと実を結んでいるんじゃないでしょうか。
憲法の根本的な真実は
憲法のなかでも、なぜ「九条」かというと、この憲法の最も根本的な真実は、「もう日本は国として戦争しな い。交戦権は永久に放棄する。陸海空の戦力というものを持たない」と、世界に向かってはっきりいった。私は、そのことが一番肝心なことだと思いますし、い ま最も危ないのは、その点なんです。
仮に、百歩譲って自衛のための戦力は必要だという人の意見を聞くとしても、でも自衛のために、何でイラクへ行かなきゃならないのか。アメリカは本当にめ ちゃくちゃにミサイルを民家に向けて発射して、女、子ども、老人を中心に約一〇万人が死んでいるといわれています。
米兵はといえば、目の前にいる女が実は爆弾を抱えていて、次の瞬間、ぶつかってきて自爆するかもしれないという恐怖と緊張のなかに絶えずいる。瞬間に反 応して撃ったら、本当に幼い子どもだったということもある。異常な経験をした人たちの心は、帰国しても市民生活に戻れないのです。
イラクの戦場から、アメリカはいま手を引きたいんですよ。いずれ日本に肩代わりさせたいのじゃないですか。
世界に通用する災害救助隊に
自衛隊のイラク出兵は憲法違反だというだけでなく、どこの軍隊もイラクへ行くこと自体が大きな疑問です。
日本は復興援助のために行くと小泉さんはいいますが、復興は、壊さなければ必要ない。ミサイルで壊しておいて、何が復興ですか。誰がそれによって利益を得るんですか。
イラク復興に中心的役割を果たし、利益をたくさん上げようということを、一番露骨に表明している国はアメリカです。お金のためには何でもする、自国の人 命も他国の人命も顧みないアメリカに追随して、日本を戦争のできる国にしたい人にとって、一番の障害は憲法、とくに九条だと私は思います。
日本は、九条の原点に戻るべきです。私は自衛隊をうんと小さくしていって、訓練された、世界に通用する災害救助の組織にしたらいいと思うんですね。各国 の事情に通じ、それぞれの習慣や言語を習熟していて、医療や給水、建物の下敷きになっている人の救出などを無償でする組織。災害救助のために、日本は即時 に役立つ非武装の集団を用意している。日本は憲法のもと、世界のために平和的に貢献する経済力とノウハウとをもっている。私はこの国の人間であることに誇 りをもっている。そう、いえるようになりたいですね。
カザルスのお母さんが
パブロ・カザルスという、世界的なチェロの演奏家がいました。故郷スペインのカタロニアの古い歌である「鳥の歌」の演奏は有名ですね。
この人のお母さんはすごい人です。カザルスの弟が一九歳で徴兵された。ずいぶん昔の話、百年くらい前ですね。でも、母親がその末っ子にいったんですって。
「お前は誰も殺すことはありません。誰もお前を殺してはならないのです。人は殺したり殺されたりするために生まれたのではありません。いきなさい。この国から離れなさい」
弟はアルゼンチンに亡命し、親子が再会するのに一一年かかったそうです。
パブロ・カザルスは「世界中の母親たちが、私の母と同じことを息子たちに向かっていうなら、戦争はなくなる」といっているんですね。
これは女の人、母親が果たすことのできる、すごく大事なことです。だけど母親のそばにいるのは父親でしょう。だから、そういうお母さんのそばで「お母さ んのいう通りだ。お父さんはお前を守るよ」というようなお父さんが出てくる。そういう父親と母親がたくさんになったら、戦争はなくなりますね。
それをやれるかやれないかは、お互いきょうここにいる一人ひとりの決心如何にかかっていると思いませんか。みんなで渡れば怖くないっていいますね。私は 子も孫もいないけれど、でも未来の命のために、そういう役割を果たしたいと思っている一人です。そう思っている人は増えつつあります。一人でも多く増やし ていきましょう。 (写真・吉田一法)
いつでも元気 2005.8 No.166