憲法を生かそう 思いを形に「憲法9条」
平和への思いをこめたタペストリー |
一人ひとりの思いを
タペストリーに
愛知・みなと医療生協「九条の会」
昨年九月二八日に一〇四人で発足した、みなと医療生協「九条の会」。会員は四月一日現在三四〇人に。発足直後にまずとりくんだのが、タペストリー作りで す。会のモットーは「会員一人ひとりが主人公」。それを形にしようと、一人ひとりが平和への思いを一五センチ幅の布に書き、それを縫い合わせ、大きなタペ ストリーにしました。会のシンボルとして、企画のたびに掲げています。
また「戦争の作り方」という紙芝居や、『やさしいことばで憲法九条』のリーフレットを作って普及するなど、九条をアピールする活動をしています。
「すいとんを食べる会」では、愛知で空襲にあった方のお話を聞きました。多くの人々の悲しみの上に、今の日本の平和憲法ができた、それを変えようとする ことは、その悲しみを踏みにじることだと思います。
今後は「カレーを食べて、映画を観る会」や、長野の無言館ツアーなどを予定しています。楽しく九条をアピールし、九条を守る運動を広げていきたいと思います。(山崎幸恵)
http://www.mc.ccnw.ne.jp/kyujou/
憲法一〇〇決議から
手記集づくりへ
広島中央保健生協
昨年から支部や班、組合員の集まりなどで憲法について、意見や思いなどを出しあいました。二五の声明と、五二一の意見が集まりました。組合員はこの運動 に「憲法一〇〇決議」と名づけてとりくみました。「憲法九条は平和の宝、子どもたちを戦争で死なせたくない」、そんな思いがたくさん語られました。
福島生協病院はことし、創立五〇周年を迎えます。被爆した無医地区に診療所を建て、病院に発展させ、無差別平等に命を救い、くらしと健康を守り、地域と 人を変えてきました。いまでは、保健生協の組合員は広島市内をこえて仲間づくりを広げています。まさにいまの憲法のもとで、平和だからこそできたことなの です。
今後は「憲法一〇〇決議」のとりくみをもとに、五〇周年記念事業の一環として、「戦前・戦中の戦争生活体験と、戦後の平和憲法下での生活体験を組合員に 募集し、手記集として残す」とりくみを行ないます。組合員は現憲法下で懸命に生きてきた証として自らの体験を記録に残し、次世代の担い手に伝えようとして います。(大野正喜)
「9じょうってなあに」 折り紙でつくったよ 友の会では憲法を守るために、学習会や署名運動などにとりくんでいます。週一回開いている折り紙教室で、折り紙をしながら憲法のことが話題になり、「憲 法9条は世界の宝」のタペストリーを作ることになりました。和紙でできた古いカレンダーの裏を台紙にして、好きな折り紙で文字を作りました。九家族でとり くみ、約一週間で完成しました。 |
イラク戦争支持は憲法違反
コスタリカ
大統領を訴え、大学生が勝訴
軍隊をもつことを禁止し、非武装中立の平和憲法をもつ国、コスタリカ。そのコスタリカがイラク戦争に関してアメリカを支持、米ホワイトハウスのホーム ページの「有志連合」のリストに名を連ねたのは「憲法違反だ」と大学生のロベルト・サモラさんが大統領を訴えました。
憲法裁判所は、〇四年九月に「違憲」判決を下し、行政府がイラク戦争について行なった合意を無効としました。日本の平和団体の要請で、日本各地で懇談会 を開いたロベルトさんの話を聞きました。
ピストルを本に…
「コスタリカの精神は永世中立。ニカラグアとの紛争後、一九四九年に軍隊を捨てて、以来五〇年以上も平和を維持する努力をしてきました。軍事費もほとん ど教育費にまわして、蕫ピストルを本にかえ、銃弾をノートにかえよ﨟と。だから、イラク戦争、ブッシュ政権を支持することはコスタリカの人々の精神を蹂躙 したことになります。永年求めて、獲得してきたことを無視することになるのです」とロベルトさんは語ります。
コスタリカは小学校から人権教育をします。人権感覚を大事にし、だれでも訴訟を起こせるようにと「憲法裁判所」があります。一年間に約一万件の訴えがあ り、八歳から違憲訴訟を起こしているといいます。
「小さいころから教育のなかで、基本的人権を教えられてきました。人の命はかけがえのない価値があるとも。人間には平和に生きる権利があるのです。戦争はこの蕫権利﨟を尊重しない行為です」
優しい口調で話すロベルトさん。どこにでもいるような、ふつうの大学生です。
世界に平和訴える九条
「日本も平和憲法を持っていますよね。でも、その要ともいうべき九条が危機にあると聞いています。九条を守ることは、この国の蕫平和に生きる権利﨟を守 ること。日本は九条があるからこそ、コスタリカ同様、永年、他国の人を戦争で殺したり、殺されたりしなかった。九条を守ることは、世界へのアピールになる と思います」
「憲法は自分たちの精神。それを侵すことに対して、敏感でありたいし、きちんと立ち向かっていきたいですね」と参加者にエールをおくりました。 (斉藤千穂記者)
いつでも元気 2005.6 No.164