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いつでも元気

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イラク戦争は最悪の大ウソ戦争だ 劣化ウラン被害はすでに近隣国にまで

弁護士 川口 創

「イラク派兵差止」訴訟弁護団が聞き取り調査

 各地で、自衛隊のイラク派兵差し止めを求める訴訟が起きています。このほど、全国の訴訟弁護士有志が、イラクの隣国ヨルダンにいき、イラク人たちの聞き取り調査を行ないました。調査団事務局長の川口創弁護士のレポートです。

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劣化ウラン弾で破壊されたキャノン砲の砲身
(03年12月、サマワ。撮影・森住卓)

 昨年二月二三日、国を被告として「自衛隊のイラク派兵の差止と違憲確認を求める裁判」を名古屋地方裁判所に提訴しました。現在(第四次提訴)までの原告数合計は三一四八名となっています。
 派兵差止訴訟は名古屋のほか札幌、東京、大阪、静岡、山梨、仙台、栃木、岡山、熊本、京都と続き、現在一一地域で一二の訴訟、原告数は約五四〇〇名、弁護団も八百名を超えています。
 裁判をすすめる以上、リアルな証拠を法廷に出すことが不可欠です。とくに情報が遮断されている状況のなかで、何とか現場にいって証拠・証言を入手しなく てはという思いを強くしました。しかしイラクに入れる状況ではありません。
 そこでイラクからの難民が多く、また各国のNGO(非政府組織)が拠点を置いているヨルダンで証言を集めようということになり、全国の弁護団の有志七名 と、名古屋訴訟の原告代表の池住義憲さんの計八名で、三月二五日~四月一日までヨルダンにいってきました。

広範な方から貴重な証言が

 かなり広範な方たちから、聞き取りを行なうことができました。
 ヨルダン環境計画国際センター所長のサフヤン教授から「劣化ウランの被害について」、ヨルダン人権協会会長のハニ・ダヘレ弁護士から「イラクの人権侵害 状況」、サマワに住んでいたイラク人女性や、NGO活動で何度もサマワに行っているイラク人からは「サマワの自衛隊の情報」を伺いました。
 また米軍の総攻撃を受けたファルージャの大きな部族の長や、アラブ世界で極めて著名な著作家、ヨルダン保健大臣、サダム・フセイン国際弁護団長のジアー ド氏など、多くの貴重な証言を得ました。
 新たな情報として、とくに重要と思われる点について述べたいと思います。

劣化ウラン汚染の戦車を売買

 ひとつは、劣化ウラン弾の放射線被害が、すでにアラブ諸国に広がっているということです。劣化ウラン弾の被害の実態についてはサフヤン教授のご自宅で、 映像や白血病の子どもたちの写真を見ながら、説明していただきました。
 衝撃だったのは、イラク国内で破壊された戦車などの鉄くずが売買の対象としてイラク国外に運び出されており、そのことでヨルダン国内でも放射線被害が多数生じている、ということです。
 教授は、前首相のいとこにあたる方ですが、売買を放任している(あるいはみずから売買に関わっている)現政府を、厳しく非難していると語っていました。

自衛隊は部族長に現金を贈って

 もうひとつは、自衛隊がサマワで何をしているかです。サマワに関わる複数の方たちから聴取した情報で共通しているのは、自衛隊は、サマワの市民のために なる支援は「何一つ行なっていない」ということです。
 しかしすでに五百億円もの税金が投下されたはず。どこに使われているのかと聞くと、みんな、こう答えました。
 「サマワには一六の部族がある。自衛隊はそのすべての部族長に『自衛隊を攻撃しないようにして欲しい』と懇願し、多額の現金を贈っている」と。
 つまりサマワの市民のためにお金を投入しているのではなく、自らを守るため(まさに「自」衛隊だ!)、巨額の現金を部族長に渡しているのです。これでは 多くの市民が利益を受けられず、自衛隊に対する非難が強まっているとのことでした。さらにこういう証言もありました。
 ■お金で人を動かすというやり方は、誇り高いイラク人を深く傷つけるものだ。日本のやり方に憤りを覚える。
 ■サマワの一部の人だけが急に大金持ちになっている。それはあなたたちの税金によってです。あなたたちは自分の税金の使い道について責任を負うべきです。
 日本がサマワで行なっていることはイラク国民から見ればまさに「非人道的」支援であり、その責任は、私たち自身にあるのだと、きびしく迫られました。

占領軍はすぐに出ていけ!

 最後にヨルダン人権協会会長のハニ・ダヘレ氏が語ったことを紹介します。
 「この戦争は人類史上一番の大ウソ戦争(ビッグライアー・ウォー)です。アメリカ自身が、イラク攻撃の根拠がすべてウソだったことを認めているにもかか わらず、いまだに居座り、占領支配を続けている。自衛隊も含め、すべての占領軍は、すぐにイラクから出ていってください。日本のみなさんも、全国すべての 市町村から、撤退の声をあげてください」


世界で占領NO!

イラク攻撃開始から2年

 米英軍のイラク攻撃開始から二年目の三月二〇日(ところによっては一九日)、世界各地で、「占領反対」「イラクに平和を」の集会・デモが行なわれまし た。

これがなにわの思いでっせ

【大阪】「世界の人びとと手をつなごう」と、大阪城公園に八千人が集結。空爆が始まった午前一一時三三分、いっせいに青とピンクの紙を頭上に掲げ、「平和」と憲法「9」条の人文字をつくりあげました。健康友の会みみはらから、会員・職員あわせて約百人が参加しました。
(健康友の会みみはら・井上善雄)

憲法9条を守りぬこう

【函館】米軍と自衛隊のイラクからの撤退を求め、約二百人が参加して「3・19ピース・ウォークin函館」を開催しました。寒風が吹く千代台公園の集会では、各団体の取り組みの報告や決意表明が。
 「函館市民憲法学習会」の講師・岩田行雄さんは、自著『検証・憲法九条の誕生』に護憲派からも改憲派からも反響があったことを紹介。日本国憲法第九条を 守っていこうと力強く訴えました。集会後、五稜郭町まで行進しました。
(きずな健康友の会・大田正春)

いつでも元気 2005.6 No.164