元気スペシャル 高遠さんがいなければイラク医師は来日できなかった
札幌では四月一七日、「医療・社会保障の推進を考える医師・歯科医師懇話会」が主催して、「セイブイラクチルドレン(イラクの子どもを救え)」講演会が開かれ、研修のため来日しているイラク人医師二人が、がんや白血病が激増しているイラクの現状を訴えました。
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ムハマド・ハッサン医師は「この一年間で一五四五人の方をみとった。うち軍人は一%。残りはみな一般市 民。米軍の攻撃によって殺された市民だ」と語り、さらに「高遠さんたちが、なぜ危険をおかしてまでイラクにいったか。イラクの現実とその苦しみを見たら、 誰でも理解できるはずです。私も、日本人に何かがおきたら、命をかけて日本人を守るために力を尽くしたい」と強く約束し大きな拍手に包まれました。
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来日に尽力した市民団体「セイブイラクチルドレン名古屋」副代表の塩之谷香さん(整形外科医)は、「戦火 のイラクからの来日は困難を極めましたが、そこで援助してくれたのが高遠さんでした。高遠さんがいなかったら彼らが日本にくることはできなかった。莫大な 税金を使って自衛隊を送るくらいなら、政府はこうした人道援助にこそ力を尽くすべき」と語りました。
自衛隊イラク派兵違憲訴訟の原告・箕輪登さん(元郵政大臣)は、改めて「自衛隊派兵は違憲。国のトップが法律を破るのは恥ずかしい話だ。法律にもとづき 自衛隊を早く撤退させなさい」と小泉首相をきびしく批判しました。
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参加した北海道大学医学部一年・南條嘉宏さんの感想は「劣化ウラン弾の被害とイラク戦争のひどさを改めて 認識させられました。日本政府はアメリカ政府を後押しして自衛隊を派兵したが、私たち日本人のすべきことは、武器を持たずにイラクの人々を助けることだと 思います。そして私たちは、すでにそのことを実行している日本人がいることを誇りに思うべきです」。
(北海道民医連事務局・橘晃弘)
いつでも元気 2004.6 No.152