ふたたび国民の声をふみにじった自公保与党の
暴挙に強く抗議し、負担増の撤回を求めて、
広範な人々との共同をいっそう広げよう

2003年4月1日
全日本民主医療機関連合会会長　肥田

　本日よりサラリーマン本人の医療費負担が３割にひき上げられました。年金暮らしの方の退職者医療も、家族の入院も、３割負担になりました。さら に、ことしの社会保険料の大幅なひき上げは、収入減に苦しむ、働く人々の生活を直撃します。昨年10月の高齢者医療の負担増にひき続く医療改悪の実施にあ たり、私たちは、医療改悪をおしすすめた自公保連立与党に強く抗議し、負担増の撤回を強く求めるものです。

◇

　昨年の通常国会での改悪強行以降、「負担増を中止せよ」という声と運動が全国で広がってきました。全国22道府県議会で「負担増凍結」「延期」の決議が 採択され、多くの市町村議会も３割負担の凍結を求めています。
　医師会など四師会はじめ多くの医療関係団体も、「負担増延期」を求める運動をすすめています。３月の世論調査では７割の国民が負担増に反対し、凍結を求める声がさらに広がっていました。
　野党４党も国民の声と運動に応え、２月に「負担増凍結を求める法案」を提出しました。しかし自公保連立与党は国会審議さえせず、法案を棚上げにし、４月 からの負担増の実施を強行しました。
　国民の切実な声や運動を踏みにじる再度の暴挙であり、断じて許すことはできません。

◇

昨年秋の高齢者医療の患者負担増が高齢者の受診を抑制し、必要な治療を中断して死亡するという痛ましいできごとが各地でおきています。今回の改悪実施は必 要な受診の抑制を働く人々や家族にまで広げ、重症化をまねき、かえって医療費の増大をもたらすことが予想されます。
　また、長引く不況のもとで医療費の負担を増やすなどの社会保障切り捨てが、景気に深刻な悪影響をもたらすことも指摘されています。
　今回の本人３割負担凍結は、４００億円でできます。大企業への減税やイラクへの無法な攻撃を行なうアメリカ軍への「思いやり予算」などの一部分を削るだ けで、国民の負担を軽くし景気回復に向かうことができるのです。
　にも関わらず、自公保連立与党と小泉内閣は、国民に激痛を押しつけました。
さらに、３月末に閣議決定された「医療制度抜本改革案」は、高齢者からの医療保険料徴収や国保の都道府県一元化など、新たな国民負担を求める内容です。

◇

　私たちは、安心してかかれる良い医療を願う国民のみなさんとの共同をさらに大きく広げ、負担増の撤回を求めて運動をひき続き大きくすすめていきす。
　４月のいっせい地方選挙では、今回の医療改悪を推進してきた勢力の実態を広く知らせ、改悪推進勢力への国民的な審判を与えようではありませんか。

いつでも元気　2003.5　No.139