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ニュース・プレスリリース

民医連事業所のある風景 神奈川/あさお診療所 地域で身近なかかりつけ医として

全職員参加のカンファレンス

 神奈川県川崎市の北部、小田急線新百合ヶ丘駅から徒歩約5分の場所に当診療所はあります。今は駅近辺に音楽大学や映画大学などの教育機関や、区役所などの公共施設、映画館などの商業施設もある賑やかなまちですが、開設した1996年当時は大きな建物はほとんどなく、診療所の周りも草地が広がる場所だったそうです。地区の組合員数600~700所帯だったところを、地域の方と協力しながら、現在は2400所帯まで増えています。
 当診療所は家庭医の診療所として、赤ちゃんからお年寄りまで、さまざまな年齢の患者を診察しています。昼には短時間ですが全職員でカンファレンスを行い、外来と在宅の患者の情報を共有しています。医師、看護、事務それぞれの視点で気になったり、気づいたことを話し合っており、皆で患者を診る姿勢が共有できていると感じています。

交流できる認知症カフェ

 認知症カフェ「ゆりカフェ」にも力を入れています。地域にお住まいの方、認知症の方、介護している家族など、誰でも気軽におしゃべりできて、交流できるカフェをめざしています。カフェオープンに当たっては、区内に同法人の事業所がないため、スタッフが少ないなかで開催するのは難しいと判断し、地域へ声をかけ、麻生区みまもり支援センター、新百合地域包括支援センター、組合員、ボランティアの方たちと協力して開催することができました。コロナ感染が拡大する前までは毎月開催していましたが、現在は休止中です。患者もボランティアの方たちも集まれないことを大変さみしがっているので、web開催など、再開できる道を模索しているところです。

医学研修施設として

 当診療所は、さまざまな医学研修を行っている施設です。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラムや認定薬剤師の研修施設になっており、今までに、医療福祉生協連家庭医療学開発センター(CFMD)、聖マリアンナ医科大学総合診療部(市立多摩病院)、東京医科歯科大学総合診療部らの後期レジデントが研修を行いました。これまでに医師6人、薬剤師3人の卒業生を送り出し、みなさん活躍中です。また川崎協同病院や地域の病院の初期研修医の研修や、医学生の実習も受けています。研修にあたっては、法人外の調剤薬局、訪問看護ステーション、地域包括にも協力してもらい、麻生地域の医療について学んでもらっています。

地域の変化に対応する

 麻生区は比較的新しくできたまちで、環境もよく閑静な住宅街が広がる地域です。しかし診療所の周りを見ていると、子育てが終わり、高齢夫婦のみで暮らしている方が増えており、これから老夫婦世帯と、新しく移り住む若い世代の両極端化が顕著になるまちになるかと予想されます。また、コロナ禍で失業したり、仕事が減っていることもあり、短期証や無保険の患者も増えています。当診療所は、無料低額診療事業を実施している事業所なので、地域の変化もよく観察しながら、身近なかかりつけ医として、私たちの役割を果たしていきたいと思います。

あさお診療所 事務長 松澤 未和)