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ニュース・プレスリリース

民医連事業所のある風景 岡山/医療生協児島歯科診療所 地域でもっとも信頼される歯科をめざして

国産ジーンズ発祥の地

 倉敷市児島地域は、瀬戸内海に面した干拓地です。塩分に強い綿花が植えられ、織物産業が発展していきました。国産初のジーンズ発売した発祥の地でもあり、たびたびテレビ・雑誌などでもとりあげられ、全国・海外からジーンズ愛好家が児島を訪れています。
 1976年、倉敷医療生協は初めての歯科、水島歯科診療所を開設。その後岡山県西部を南北にわたり、住民要求を元に、次々と歯科診療所を開設していきました。児島歯科診療所は1993年に、5番目の歯科診療所(現在8事業所)として開設されました。

昨年12月に新築移転

 開設から25年目の昨年12月、当診療所は新築移転をしました。移った場所は、近隣に児島支所などの公共機関やショッピングモールなどがある、児島地域の中心に位置します。
 新築移転のコンセプトは、「地域でもっとも信頼される歯科診療所をめざします」です。
 旧歯科診療所はビル店舗を借り、歯科用に改築して診療を行っていましたが、診療室が狭く、トイレは2階、駐車場も少し離れた場所であったことなど、患者・職員双方にとってつかいづらい構造となっていました。
 新しくなった歯科では、処置室は患者と職員の動線を分けてスムーズに行き来できるようにし、治療がスムーズに行えるように設計しました。また、以前は不十分だったプライバシー保護の観点から、診療台の間に壁のついたてをつくり、隣の方の治療が見えないように設計しました。さらにインプラント治療など、特別な処置をする特別診療室や、以前はなかったカウンセリングルームも新たに設置することができました。
 交通量が多い大きな通り沿いに面していることもあり、通りがかりで当院を知ってかかられる患者さんも増えました。移転後の新患数は以前の2~3倍に増えたことで、一番の課題であった患者増も軌道に乗りつつあります。診療所に設けた投書箱には「きれいになって歯科に来るのがたのしみになった」「プライバシーが守られるようになってよかった」など、多くのお褒めの投書が寄せられるなど、地域の評判も上々です。
 また、家族ぐるみの来院から子どもの受診も増え、以前にもまして、賑やかな診療現場となっています。

すべての被災者が戻れるまで支援を続けたい

 昨年7月に起こった豪雨災害では、児島地域でも沿岸部で一部浸水被害がありました。
 とくに被害の大きかった同じ市内の真備町では、地域の27%が浸水し、51人の方が犠牲になりました。全半壊は4600棟。同法人の真備歯科診療所も2階床下まで浸水し、診療機能が全滅しました。倉敷医療生協歯科群は、発災後すぐに対策本部を設置し、支援体制を組みました。8月から10月の間に職員で真備地域の全組合員宅を訪問、被災者の方々から厳しい状況をお聞きしたりしました。そうしたなか、真備歯科診療所は多くの住民から再開を求める声のなか、2019年1月に診療再開をしました。
 被災地では、まだまだ元にあった地域へ戻るには時間と支援が必要です。私たちは、すべての人々が安心して元の場所へ帰れるまで、支援を続けていきたいと思います。
 倉敷医療生協歯科群は、1年の間で、児島歯科新築移転の事業と、真備地域復興支援、真備歯科事業再開という大きな課題にとりくみました。その課題を組合員、医療生協の力、職員の力を合わせ、やり遂げたことで、あらためて民医連組織として底力を感じました。 

医療生協児島歯科診療所 事務長 早川  正樹)