民医連事業所のある風景 富山/とやま虹の会 地域に豊かな福祉を築く!
地域に支えられて法人設立へ
とやま虹の会は、1992年8月に設立、富山市で初めて社会福祉法人で老健施設をつくろう、そして「寝たきりをつくらない施設づくりの夢を実現しよう」を合言葉に、法人設立に必要な1億2000万円を集めるために募金運動がとりくまれました。富山医療生協組合員さんや地域の皆さんなど2000人を超す人々から、資金協力が毎日のように寄せられ、ついに願いが叶い、翌93年7月、最初の施設として老人保健施設レインボーが開設されました。
総合的な施設体系づくり
「高齢者の人権の尊重」と「住みなれた地域で、いつまでも安心して暮らせる、福祉のまちづくり」を理念に掲げ、介護予防からリハビリ、在宅サービス、施設サービス、認知症ケア、看取りケアまで総合的な施設体系をつくろうと、これまでに特別養護老人ホームしらいわ苑、訪問介護、通所介護、居宅介護支援事業所、地域包括支援センターを開設してきました。
レインボーでは、在宅復帰をめざす施設として、支援相談員や介護支援専門員、リハビリ職員、看護職員、介護職員など多職種協同で生活リハビリにとりくみ、在宅生活を支える切れ目ないサービスの提供を行っています。
しらいわ苑では、入所者の皆さんのそれぞれが生きてきた人生の歩みを大切にし、「その人らしさ」を尊重したケアをすすめ、認知症ケアや最期まで施設でと希望される入居者の方の看取りケアにも積極的にとりくんでいます。
福祉のまちづくり
とやま虹の会は、理事や評議員、運営委員、地元の自治振興会や民生委員、富山医療生協組合員、ボランティアなど多くの地域の皆さんとの結びつきを持っています。「サロン梅の湯」や「オレンジカフェ水橋」では、地域の皆さんと一緒に運営委員会がつくられ、自主的に運営されています。「サロン梅の湯」には、12のサークルがあり、年間延べ3000人を超える方が利用し、地域に元気を発信しています。
また、水橋にある福祉事業所でつくる「水橋福祉ネット」では、虹の会職員も参加し、福祉のまちづくりにとりくんでいます。その1つとして、地元の伝統的なお祭である「橋まつり」には、事前準備の提灯つりや終わった後の「ごみかたずけ」を一緒に行っています。最近のとりくみでは、子どもたちに認知症を知ってもらい、地域皆で考えるきっかけにしようと、劇団をつくり、小学校、中学校、高校に出向き寸劇を披露しています。
(社会福祉法人とやま虹の会 専務理事 池田克己)