民医連事業所のある風景 宮城/坂総合病院 地域の医療機関と連携し、地域完結型の医療めざして
設立から100年以上の歴史
坂総合病院は、1912年に私立塩釜病院として坂定義医師によって設立され、100年以上の歴史をもっています。この病院の建設にあたってはさまざまな形で多くの方々が協力してくれ、今も病院の敷地内には協力した方々の名前が刻まれた「紀念之碑」が残されています。
当院は、急性期・回復期・在宅を含めた連携によるシームレスな医療・介護で安心して住み続けられるよう、地域の医療機関と連携し、地域完結型の医療をめざしています。そして、救急告示病院、地域医療支援病院、地域災害医療センター、臨床研修指定病院として、地域における基幹的な役割を担っています。許可病床は357床、届出入院基本料は、一般入院基本料7対1が305床、ハイケアユニット入院医療管理料6床、回復期リハビリテーション46床となっています。
東日本大震災時に全国支援受け入れ
2007年に地域医療支援病院の認可を受け、現在では登録医療機関数は104まで増加し、診療圏内の95%を占めています。全入院患者の約2割が紹介からの入院です。
救急医療の分野では、診療圏管内で発生した救急車の約40%を受け入れています。2017年度は月平均317台と年間3800台ペースで受け入れを増やしています。
災害医療の分野では、2008年に地域災害医療センターに認定され、2011年3月11日の東日本大震災では全国の支援も受けながら、患者・地域住民の生命を守る活動を展開しました。年1回の大規模災害訓練は医師会、救急隊、行政からも広く参加する規模になっています。
ハイリスク分娩の後方病院
周産期医療では、ハイリスク分娩における後方病院として地域の産婦人科開業医からの紹介をほぼ全て受け入れてきました。小児医療では、思春期、神経、喘息、循環器、脂質の5領域を担える小児科専門医体制で塩釜救急隊管内の小児科領域救急の約半数を受け入れています。在宅医療の分野では、充実したリハビリで在宅復帰を支援するとともに、在宅や地域の介護施設で発生した救急患者を受け入れ在宅医療を支えています。リハビリの分野では、急性期医療における心肺機能や運動器の機能低下に対して発症早期からとりくみ、入院期間短縮や地域との連携で独自の役割を果たしています。
地域住民全体の健康づくりを推進
最後に、当院の歴史を語る上では約1万人の会員で構成している「みやぎ東部健康福祉友の会」の存在は欠かせません。患者・会員にとどまらない地域住民全体の健康づくりを推進していくため、2015年4月に「坂総合病院友の会」から名称を変えました。今後も共同組織の皆さんとともに医療における最後のよりどころとして無差別・平等の医療をめざして奮闘していきます。
(坂総合病院事務局長 佐藤 孝一)