民医連事業所のある風景 岐阜/すこやか診療所 「あなた」がわかる診療所めざして
すこやか診療所は、センター病院であるみどり病院の外来スペース拡充、外来機能の向上、通所介護施設の立ち上げを目的として、みどり病院の目の前に、1999年3月に開所しました。
診療所開設のコンセプトは、慢性疾患患者に特化した完全予約制の診療体制、検査などはすべてみどり病院で行い、設備もスタッフ数もスリムにした診療所、訪問診療の拠点施設、翌2000年スタートの介護保険制度に対応できる医療・介護福祉の複合施設、というものでした。
多様な疾患の患者のサポート
私たちの法人は、「P-MANレポート」を活用した慢性疾患患者さんの治療サポートを行っていました。現在は電子カルテ化によりこのレポートは廃止となりましたが、慢性疾患の悪化予防、合併症予防、がんの早期発見などを目標に、計画的なチェックができるようシステム化して対応しています。また2009年にこころのケア外来(精神科)、2012年にみどり病院から移転しての透析センター設立と、施設拡充、多様な疾患の患者さんの受け入れを行うことで、スタッフ自身の学びとその学びを患者に還元するサイクルができあがってきました。
在宅支援診療所として
診療所開設当初から訪問診療の拠点としてとりくんでいて、現在は機能強化された在宅支援診療所として、民医連事業所でグループをつくり連携をとりながら在宅患者さんのサポートを行っています。2016年からは診療所内に在宅医療センターを開設し、センター長、担当看護師を置き、定期訪問、緊急往診に対応できるよう体制を整えました。
最近では民医連外でも在宅医療に力を入れ、学ぶべき医療機関が多くあり、地域での勉強会も増えてきました。今後、地域の医療機関との協力も積極的に行い、暮らしやすいまちづくりを在宅医療の現場からつくりあげていきたいと思っています。
介護事業分野の強化と地域まるごと事業
介護保険制度に対応できる診療所、というコンセプトのもと、診療所と同時並行してデイケア(後にデイサービスへ)を運営してきました。その後訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、居宅介護支援事業所センター施設と、すこやか診療所を中心として介護事業を強化、発展させてきています。
相談できる地域の施設
すこやか診療所は、みどり病院と合同で毎日多職種参加の外来カンファレンスを開催しています。カンファレンスではその日気になる患者さんの情報を共有し、医療面、介護面、生活面から患者を多角的に把握します。これはみどり病院開設以来50年近く続いているものであり、患者さんとその家族を知り、現場の医療にいかすことができる私たちの大きな強みです。
私たちは、みどり病院や介護事業施設とともに、「いつでもどこでも誰もが」足を運び、相談できる地域の施設としてこれからも存在していきます。
(すこやか診療所 事務長 水野 明典)