Dr.小池の世直し奮戦記 ブラック企業をなくせ!
たたかいが政治を動かす
「ブラック企業をなくせ」という若者の叫び、労働者のたたかいが政治を動かしています。過酷な労働を社員に強いる「ブラック企業」の新卒求人を、ハローワークが拒否することなどを盛り込んだ「青少年雇用促進法」(政府提出)が四月一六日、私の所属する参議院厚生労働委員会で全会一致で可決しました。衆議院の審議を経て、今国会で成立する見込みです。ブラック企業を規制する法案は、初めてのことです。
ブラック企業規制法が成立
ハローワークによる新卒求人を拒否できるのは、残業代不払いなど違法行為を繰り返す企業や、セクハラなどで社名が公表された企業。対象は一六〇〇事業所(推計)です。厚労省は民間の職業紹介会社についても拒否できるように、指針で定める考えです。
学生の求めに応じ、企業が職場情報を開示することも義務化しました。開示する情報は、募集・採用や労働時間、研修の状況の中から、企業が選べることになっています。
「より厳格な規制を」と修正案提出
私は参議院厚生労働委員会で、政府案をより実効性のある規制にすることが必要だという立場で修正案を提出しました。
その内容は、(1)ハローワークは、新卒求人に限らずブラック企業によるすべての求人を拒否することができることとし、民間職業紹介会社も同様とする、(2)学生からの求めがなくても、三年間の離職率、平均勤続年数、残業時間、年休取得率の開示を企業に義務づける――とするものです。
社民党も共同提案に加わり、民主、維新、日本を元気にする会、無所属クラブも含めて野党の全議員が賛成しました。自民、公明が反対したため否決されましたが、共産党の修正案に全野党が賛成したのは一四年間の議員活動の中でも初めての経験です。ある野党議員は私に「初めてのことで感慨深い」と語りました。
政府が法案を提出せざるを得なくなったことも、野党が結束できたのも、ブラック企業に反対する大きな国民的世論があったからこそだと思います。
労働法制の大改悪ストップ!
修正案の提案の際、私は「労働者を過酷な労働に追い立て、モノのように使い捨てるブラック企業の存在は大きな社会問題になっており、対策は喫緊の課題だ」と強調しました。
若者の心とからだをすりつぶし、夢も希望も奪うブラック企業が、大手を振ってまかり通るような社会にしていたら、日本の未来はありません。厳しい規制でブラック企業を日本社会から一掃するために、引き続き力を尽くしたいと思います。
あわせて、長時間労働や不安定な雇用を広げる労働法制の改悪など、もってのほかです。派遣労働の期間制限をなくし「生涯ハケン」を広げる労働者派遣法の大改悪や、労働時間の制約をなくして過労死を促進する「残業代ゼロ法案」も断じて許せません。廃案をめざしてがんばります。
力を合わせて、人間らしい雇用を実現するためのたたかいを進めましょう。
いつでも元気 2015.06 No.284
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