Dr.小池の世直し奮戦記 総選挙で明らかになった本当の「民意」は
総選挙が終わりました。「自公圧勝」と報道されていますが、そんな単純な結果ではなかったと思います。確かに、与党である自民党と公明党が衆議院の議席の三分の二以上を占めましたが、これは総選挙前と変わりません。自民党が獲得した二九一議席も、選挙前より四議席減らしたものでした。
比例代表の得票率を見ると、自民党は三三%にすぎません。それにもかかわらず六割もの議席を占めたのは、小選挙区制度が民意をゆがめたからです。
「オール沖縄」は自民党に完勝
沖縄では、本土とまったく対照的な結果に。「辺野古の米軍新基地建設ストップ」の一点で、保守・経済界の人々と共産・社民・生活・沖縄社会大衆党が「オール沖縄」の候補を共同で擁立し、四つの小選挙区すべてで、自民党候補を破ったのです。一一月の沖縄県知事選挙で、基地建設反対の翁長雄志知事が誕生したことに続き、明確な審判が下りました。“新基地建設ノー”という沖縄の「民意」は、誰が見ても明白です。
ところが安倍首相は選挙後の記者会見で「辺野古移設が唯一の解決策」と述べ、菅義偉官房長官は「淡々と進める」とうそぶきました。これだけ明白な民意を踏みにじるのでは、もはや民主主義国の政府とは呼べません。
日本をよく知るアメリカのジョセフ・ナイ元国防次官補は、選挙中に「沖縄の人々が辺野古移設を支持しないなら、我々は再考しなければならない」と述べました。安倍政権よりも、よほど「民意」の重みを理解しているのではないでしょうか。
共産党の議席躍進の意味
今度の選挙では、安倍政権にぶれずに正面から対決した日本共産党の議席が、改選前の八議席から、三倍近くの二一議席へと躍進しました。これも、もう一つの明らかな「民意」です。安倍政権にはこの結果も、しっかりと受け止めてほしいと思います。
集団的自衛権の行使や原発再稼働など、安倍政権が進めようとしている政治には、多くの国民が疑問の声をあげています。「選挙で信任を得た」などと、強引にこれらの施策をすすめることは許されません。
医療改悪を許さないたたかいに全力を
総選挙後の通常国会には、後期高齢者医療保険料の「特例軽減」廃止、入院給食費などの患者負担増、混合診療の解禁に道を開く患者申出療養(未承認の医薬品の使用を患者の申し出により許可する)の創設などを盛り込んだ「医療保険制度改革法案」が出されると言われています。
また、医療法人・社会福祉法人を合併させた持ち株会社(非営利ホールディングカンパニー)創設を盛り込んだ「医療法改正案」の提出がねらわれています。医療法人による株式会社への投資も可能にするもので、医療・介護の営利化につながります。
社会保障の「自然増抑制」という、小泉政権時代の手法も復活しつつあります。
しかしこうしたやり方に対しては、かつて、広範な国民から反対の声が上がりました。その怒りが、自民党から民主党への政権交代(二〇〇九年)につながったのです。自民党はまたもや同じ轍を踏みつつあります。
医療改悪を許さないたたかいに、全力を。皆さんと力を合わせてがんばります。
いつでも元気 2015.02 No.280