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ニュース・プレスリリース

(得)けんこう教室/家庭でできるツボ療法(上)/ツボをおさえて健康チェックを

則定邦彦 大阪・住之江鍼灸センター鍼灸師

世界に広がる鍼灸

kenkou_2009_10_01  「ツボ」は鍼灸の専門用語では、経穴(けいけつ)と呼びます。長い歴史があるので、経穴の位置が国によって違っていました。しかし、世界的に関心が高まっ たことにより、2006年10月、WHOによって「標準経穴部位」(世界共通のツボの位置)の統一が成し遂げられました。

 これにより、鍼灸研究における共通の基盤ができました(写真)。

 鍼灸治療は、現在100カ国以上で臨床にとり入れられ、地球上でもっとも普及した伝統医療になっています。いま注目されているキューバ医療においても、医科大学の授業に組み込まれ、キューバ国内のファミリー・ドクターが実践しています。

 ツボ療法は、体調の改善や、自然治癒力を高めるなどの効果が期待できます。普段の体調確認にも役立ちます。

気でみる体

 東洋医学は、森羅万象(しんらばんしょう)が「気」というものから成り立ち、人間の体も気でできていると捉えています。この気はエネルギーと考えてください。そして、病気とは気を病むことで、気が歪むことを意味します。

 気は全身にはり巡らされている「経絡(けいらく)」というルートを通り、体中を回っています。経絡にはところどころ、体の表面から触れることのできるポイント(ツボ)があり、さまざまな反応があらわれます。

 具体的には、手で押すと快い(快痛)、痛い(圧痛)、グリグリするものが手に触れる(硬結)、皮膚が凹む(陥下)、逆に皮膚が腫れ気味になる、皮膚が温かくなったり冷たくなったりする、知覚異常、ざらざら、変色がおきるといったものです。

 これらの反応がある場合、何らかの原因で気のバランスが乱れ、体のどこかに異常ができているとみなします。ツボ療法は、反応の出ているツボに刺激を与え、気のバランスを整えることで、体内で生じた臓器の不調を正そうとするものです。

ツボの探し方と刺激の仕方

 ツボの位置は決められていますが、実際にはわずかに動くため、ツボの位置の周辺をよく探ってください。手で押さえると、「痛気持ちいい」と感じるところをツボと捉えます。

 ツボの刺激の仕方は次の通りです。

 温熱刺激 市販のお灸をおこなうこと。温灸、線香・ドライヤーなどをツボに近づけ、熱さを感じたら体から離す、という動作を3回繰り返します。

 指先刺激 リラックスして息を吐きながら、ゆっくり気持ちいい程度の強さで、5秒間押します。次に、ゆっくり息を吸いながら離します。これを1分間繰り返します。

kenkou_2009_10_02

 それでは、重要なツボの位置、効用などをあげておきましょう(上項)。今回は、自分でチェックしやすい膝から下、足の先までを紹介します。

 ◆

 ツボに反応があるということは、体に疲れやストレスが溜まっているということです。やさしく刺激をして、気のバランスのとれた体になるようにつとめることが大切です。

 ツボ療法は体調を改善し、病気を治しやすくするものです。病気を治すものではありません。つらい症状のあるときは、まず医師の診断を受けましょう。

■次回は、肘から手までのツボを中心に紹介します。

 イラスト・井上ひいろ

いつでも元気2009年10月号