「多喜二祭」に参加して
北海道・道東勤医協
二月二〇日は多喜二が築地警察署による拷問で虐殺された日、小樽の「多喜二祭」へ。約一八〇人が集まった雪深い墓前は、一気に熱い想い一色に。
同日の「音楽と講演の夕べ」ではアメリカの大学院生の挨拶があり、多喜二作品が世界の研究者に掘り起こされていると知りました。
浜林正夫・一橋大学名誉教授が講演。「蟹工船」をどう読み解くかを投げかけるものでした。 軍の弾圧で九人が連行され、小樽警察署から札幌へ護送される シーンで小説は幕を下ろし、映画「蟹工船」は全員が殺される場面で終わりますが、ここに違いがあります。多喜二は全員を殺したくなかったのです。釈放され た労働者が「闘った」経験を担い生き抜くことが多喜二の希望であったように思うのです。
無法な搾取は現在も形を変え終わってはいません。多喜二が望んだ社会とは程遠い現在に生きる私たちは何をなすべきか、講演は問いかけてくれました。
(松本美紀子)
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いつでも元気5月号No.211より
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