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ニュース・プレスリリース

大阪/楠根診療所 新しい歴史を築いていきたい

モノづくりのまち、東大阪

 楠根診療所のある東大阪市は、中小企業が集まるモノづくりのまちとして有名です。工場集積率は全国一で、各分野のトップシェアを誇る会社や人工衛星「まいど1号」を町工場の技術で打ち上げ成功させたように、高い技術力を誇る会社もたくさんあります。
 当診療所のある楠根地域は報道ステーションの特集「医者に行けない高齢者たち~密着…医療格差の現場」(2008年3月12日)で放映されたように、町 工場と住居がひしめき合い、高齢化が進み、低所得者が多く住む地域です。不況の影響により生活費や医療費の支払いに困る人がますます増えることが心配され ます。

500メートル圏内組合員世帯比率50%を達成

 楠根診療所は医療生協かわち野生活協同組合の発祥の診療所です。1971(昭和46)年に借家の診療所として開設し、2009年1月に新しくオープンし た今回が、3回目の建物となります。今回の建設運動は「出資金1億円」、「新しい診療所周辺500メートル以内の住民世帯組合員比率50%」を開設までの 目標とし、組合員と職員の2年9カ月の努力の結果、この2つの大目標を達成してオープンすることができました。
 12月21日には「竣工式」を行い、地元自治会、医療機関、介護事業所等の来賓94人。組合員、職員をあわせると230人以上が集まりました。自治連合 会長や医療機関代表から祝辞をいただき、組合員の手作りによる食事も大変好評でした。診療所周りのフェンスには鉢植えの花々。これは1鉢500円の株主を 募り270人の方にご協力いただいたものです。
 12月23日は寒風の中、「お披露目まつり」を行い、1500人が参加。2階からくす玉を吊るし、地元楠根中学校ブラスバンド部のファンファーレが鳴り 響く中、みんなでひもを引っ張り、くす玉が割れ、千羽鶴も舞い降り、準備していたハトも飛び立ちました。診療所入口に設けたテントではうどん・豚汁・焼き そば・ぜんざい・きな粉もちと各支部の得意料理が並びました。
 1階は健康チェックコーナー、2階は子どもコーナーと健康器具体験コーナー。3階はメーンステージで日本舞踊、ストレッチ・大正琴・フラダンス・バンド 演奏・創作ダンス・フィリピン舞踊・恒例の職員の南中ソーランと様々な催しが会場をわかせました。4階は生活・介護相談コーナー、5階は各支部の班会展示 コーナー。日頃の活動の写真やサークルなどの力作が並びました。
 珈琲コーナーでは展示された楠根診療所の歴史展示パネルを見ながら、思い思いの会話が交わされました。まつりの最後は大抽選会。いつもより多目の150本の景品が準備されました。組合員の長年の夢を、組合員自身が参加し、祝い、実感した一日でした。

地域の医療・介護・健康づくりのセンター

 5階建ての建物は1階に診療所、居宅介護支援事業所、2階組合員ホール、3階通所リハビリテーション(定員40人)、4階ショートステイ(10床)、5 階グループホーム(9人)と医療、介護、そして健康づくりのセンターとして新しく生まれ変わりました。開設初月の1月は外来件数が1673件と前年比で 20%以上増えました。3階通所リハビリも1日平均の利用者が一挙に5人増え、建設運動で築いた前進が数字となって事業に反映しました。
 これからも地域の住民が自由に寄り合い、健康づくりができるような施設として、組合員参加の運営を貫き新しい歴史を築いていきたいと思います。
楠根診療所 事務長 吉永 哲弥)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2009年4月号.No.440より