「いのち」は平等!
厳冬に路上生活者を支援 北海道・道南勤医協友の会連絡会
一月二八日、函館で路上生活者調査と炊き出しつきの相談会を開きました。道南勤医協・友の会も加盟する社保協の主催。各団体から実行委員二〇人が相談会チラシを持ち、昼と夜中、三回にわたり調査。北海道勤医協の研修医や大学生も含め、たくさんの若者が参加しました。
相談会のことを北海道新聞が知らせたこともあり、一般市民も米やカップ麺などたくさんの食材カンパや炊き出しボランティアで参加してくれました。
相談会には二〇~六〇代の男女一〇人がやってきました。「本州で派遣をしていたが、故郷の函館へ帰ってきた。週三回はハローワークに通うが仕事がない」 「昼は図書館や市役所ですごし、夜は駅やホテルのロビーですごしているがとにかく寒い、食事は二日に一回」という人も。
三人が生活保護の申請をし、生活と健康を守る会の紹介で下宿が決まりました。厳しい冬の函館は路上生活は大変。次の月も相談会をする予定です。
(舩木幸子通信員/写真・青木達人)
「子どもに保険証を」で変える 宮崎生協病院
一二月二四日、職員や共同組織の代表一七人が、宮崎市の国保年金課に、無保険の子ども の救済について申し入れました。「資格書の子ども(中学生以下)への保険証交付は、四月の国保法の改正を待たずに、冬場の急性疾患が流行する時期に早急に 保険証発行を」という内容。国保証が切れた無保険状態で受診となった事例二件を報告し、対応の改善を申し入れました。しかし、市側は「窓口に相談に来れば 対応する」の一点張り。
私たちは「暮らすのが精一杯なのに、保険料を取られる相談に行けるの?」「病気で苦しんでいるときに、受診前に、役所に相談に行けというのか?」と疑問 を出しましたが、市は「相談に来なければ自己責任」という趣旨の発言。昨年八月の交渉と同じ回答で、一同ため息。
しかし一月、「宮崎市一月九日から無保険の子どもに保険証発行」と地元紙が報じました。資格書の七七人と短期証が切れた子ども約一二〇〇人に短期保険証 を発行し、期間は半年だが、その後も更新に応じるという恒久的な救済措置となりました。「行動すれば変えられる」を実感できました。
(白石敏夫)
アスベスト訴訟、追加提訴 兵庫・アスベスト被害から
いのちと健康を守る尼崎の会
当会(会長・船越正信尼崎医療生協理事長)が支援している尼崎アスベスト訴訟で、新たに、胸膜中皮腫で死亡した保井綾子さん(当時八五歳)の遺族が神戸地裁に二次提訴しました。
地域住民のアスベスト被害の責任をクボタと国に問う裁判は、〇七年五月に二遺族が提訴しており、今回が三例目。
一家は一九五七年以降、クボタから一キロ余りの地域で暮らしていました。地域で生け花を教えるなど、活発だった綾子さんが突然胸痛と苦しさを訴え、胸膜中皮腫と診断され亡くなるまで、わずか一年。
提訴の記者会見で、遺族が語りました。「胸水が三リットルもたまり、抜いても一週間たたず再びたまった。食事は受けつけず、骨と皮に。全身の痛みと、喉 の乾きをひっきりなしに訴え、見ておれなんだ。クボタと国が責任を認めない限り納得できない」と夫。新聞各紙やNHKが報道しました。
(粕川実則通信員)
各地のとりくみをお寄せください。編集の都合上短くする場合がありますが、三〇〇字で、写真もつけてください。毎月の締め切りは七日ごろです。
いつでも元気4月号No.210より