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ニュース・プレスリリース

熊本/特別養護老人ホームたくまの里 人権を中心に据えたサービスを

 たくまの里は、熊本市(人口68万人)の中心部から阿蘇山方面に向かって10キロほど離れた場所にあり、すぐ近くを国道57号線(東バイパス)が走る、住宅圏域の都市型の特別養護老人ホームです。
 施設内は50床のユニット型個室で6ユニットから構成され、各居室にトイレを完備しています。併設事業として、短期入所生活介護・通所介護・訪問介護・居宅介護支援事業を行っています。

「民主的な高齢者施設をつくろう」と

 1994年から熊本県民医連において、高齢者施設の検討が始まり ました。1996年11月、熊本県高齢者大会で「私たち自身の手で民主的な高齢者施設をつくろう」という申し合わせがあり、1997年、民主的な高齢者施 設をつくる会(以下「つくる会」)が発足し、10年に及ぶ運動がはじまりました。2001年から行政へ熊本市社会福祉施設整備計画にもとづく事前協議書申 請を始めましたが、4回不採用になりました。その都度行政と交渉し、条件整備を続けてきました。そしてついに2005年12月、5回目の申請で採用されま した。翌年の2006年4月、社会福祉法人くまもと福祉会が設立されました。施設名は54件の応募の中から「たくまの里」に決まりました。

一人ひとりのニーズを大切に

 2006年9月から建設がはじまり、2007年7月に完成し、8 月から事業を開始しました。地域へのお披露目として施設見学会を行い、介護事業所関係、自治会、老人会等から600人を超える見学者があり、地域の期待の 大きさを感じました。「つくる会」の・「人間らしく生きることはみんなの権利」という立場、・社会的弱者の立場に立って、・職員が主体的に、・地域と連帯 しての理念が施設への期待として引き継がれました。
 「たくまの里に引っ越しても住みなれた自宅と変わらない生活の提供」を念頭に、ユニットケアに取り組んできました。毎月のレクリエーションや行事のほか に入居前に行っていたお稽古事への参加、家族と一緒に食事会(お祝い会)、外出など、入居者一人ひとりのニーズを大切にした活動を行っています。さらに自 分史づくりは、入居者の人生や想いを知るきっかけとなり、ケアに生かされています。
  ユニットケアをより専門的に学ぶために、ユニットケア研修を受講し、5人が修了しました。受講者を中心に自主学習会が開催され、日々のケアの研究が始まりました。
 広報紙「たくまの里だより」を毎月発行し、施設での取り組みを地域に情報発信しています。たくまの里の活動が地域に知られることで、地域住民との学習 会、町内老人会との懇談会、ボランティア活動(クリスマスコンサート等)や地域交流スペース(約100人収容)を利用しての地域サークル活動や会合など、 広がりがでてきています。
 今後、これらの取り組みを発展させながら、熊本県民医連における介護・福祉の拠点として、人権を中心に据えた介護福祉サービスを展開していきたいと思います。
(特別養護老人ホームたくまの里事務長 作取 久)

「民医連院所のある風景」 『民医連医療』2009年3月号.No.439より