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ニュース・プレスリリース

Dr.小池の国会奮戦記 子どもの未来に知恵と力出し合おう 無責任で安易な規制緩和路線は許さない

 新年を迎え、おめでたい話といきたいところですが、空気だけでなく、漢字も解散時期も読めないKY首相のもとでは、景(K)気もよ(Y)くならないようです。こんな人しかいないのかと、自民党の人材不足に同情すら感じてしまうほどです。

ハッピースマイル廃園

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保育園が休みのときは子連れで出勤
(党本部で)

 そんななかで、今回は「保育」をめぐって起きている重大事態についてご報告したいと思います。
 一〇月三一日、経営難を理由に株式会社エムケイグループ傘下の保育所ハッピースマイルが全園廃止されました。学童保育も含めて、東京、神奈川、埼玉の二 六施設で三七七人もの子どもたちが行き場を失ったのです。あの「コムスン」が、不正事件をきっかけに介護事業から無責任に撤退した事件が思い出されます。
 川崎市が委託した保育園を利用していた方からは、ハッピーどころか、こんなメールが寄せられました。「夜七時にお迎えに行ったら、『保育園は経営難でつ ぶれたので、明日から来られません。週明けの一一月四日から新しい保育園に行ってください』と。どうしたらいいのか」
 「明日から別の保育園」といわれても、新しい保育園に慣れるまでの苦労だって並大抵のものでありません。かくいう私も、毎朝子どもを保育園に送っていますので、どれほど大変なことか、身にしみます。
 営利企業の身勝手なやり方が、父母と、もちろん子どもたちに与えた傷は計り知れません。

子どもの発達まで市場化

 ところが政府は、保育分野に「もっと多様な主体の多様なサービスが必要だ」といい、さらなる規制緩和をねらっています。「事前チェックをやめて事後規制に」というのです。子どもに問題が起これば、「事後」では取り返しがつかないのに。
 政府は、介護でも障害者福祉でも、公的な責任を後退させ、営利企業まかせにしてきました。企業の側も「ビジネスチャンスだ」とばかりに飛びついて、もうけを追求してきました。それがどこでも、高齢者や障害者とその家族に、たいへんな苦難を強いています。
 このうえ、未来を担う子どもたちの発達を保障する保育まで、公的な責任を投げ捨てて、市場化の嵐にさらすなど断じて許されません。

流れ変えるたしかな一歩を

 いま必要なのは、「ハッピースマイル廃園」のような事態を生んだ、無責任で安易な規制緩和路線にたいする深い反省です。そして、人々がゆたかに生きていくための権利をまもるためには何が必要なのか、みんなで知恵と力を出し合うことです。
 保育の分野では、父母と保育士さんたちのたたかいで、自治体が実施義務を持つしくみを維持してきました。「さらなる規制緩和を」という意見も、はば広い保育団体の反対意見の前に立ち往生しています。
 二〇〇九年はまちがいなく解散・総選挙の年。こうした一つ一つのたたかいを力に、政治の流れを変えるたしかな一歩の年としましょう。


■こいけ・あきら 1987年東北大卒業後、東京民医連で小豆沢病院、代々木病院などに勤務。内科医。1996~2004年全日本民医連理事、1998年から参議院議員。

いつでも元気 2009.1 No.207